ヴィンランド・サガ 8巻
- 作者: 幸村誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/09/23
- メディア: コミック
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今までちゃんと感想書いてないけど、実は毎巻購入即読みする作品の一つ。自慢じゃないけど積読が200冊オーバーある中で、新刊購入即読みするほどがっついてしまう作品って、どうしても限られてきます*1。
最初っから面白かったけど、クヌート王子の覚醒あたりからはもう神懸かった面白さ。男達の生き様死に様がアツくて哀しくてカッコよくて痺れっぱなしですよ。ああ畜生、なんでこんなに面白い漫画が描けるんだよこの人は。
今巻ではついにクヌート王子のクラスチェンジと、アシェラッドの退場が描かれます。この一連の話の出来の良さときたらもう大変なもので、読了後思わず即2度目を読んだほど。
というのも、7巻のビョルンのくだりでもそうだったんですけど、幸村先生は人物の表情や少ない言葉に多くの想いを盛り込むのが本当に巧いんですよ。一度読んだ時には真意がわからなかったor伝わりにくかった描写でも、二度目を読むと「ああ、こういうことか」とか、「この人は今こういう想いを込めてこういう目をしてるんだな」とかが、驚くほど鮮明にわかるようになります。
これって実は漫画家としてかなりすごい事で、「読者に彼の心情を知りたいと思わせるだけの魅力を、その人物が備えている事」「そこに至るまでのその人物の内面描写がぶれていない事」が絶対条件なんですよね。
単にストーリーラインの面白さだけじゃなくて、こういう「読み返し→発見」が出来るような計算された構成*2が、ヴィンランド・サガを傑作たらしめているんじゃないかなー、なんて最近思います。
漫画ナツ100の時も書いたけど、キンタマ付いた生き物なら読んで損なしの傑作です。今更ながら超オススメでございます。
- 余談
余談だけど今巻の帯の仕事は最低。コレ作った奴は猛省すべき。
一切の情報を敢えてシャットアウトして単行本を楽しみにしてる人だっているんだから、帯でネタバレしちゃいけませんや。