最近面白いマンガ その3

 つづきのつづき、ではゴー。


 既刊3巻。

 電子工作が好きな女子大生「ハル」が主人公の抱腹絶倒コメディ。毎回ハルがおかしな電子工作を作って、人助けという名の傍迷惑を巻き起こしたり、たまにほんのちょっと役に立ったりする物語。

 たとえば孤独な級友を慰めるために開発したのが、「ぼっち」というツイートを探索して世界地図上にLED表示する機械。ワオ!なんてクールなんだい?これを使えば世界中にどれだけぼっちがいるかわかるって寸法サ!君はひとりぼっちだけど、ひとりぼっちなのはひとりじゃないZE★……って他に作る物なかったんかい。とかなんとか、だいたいそんな感じです。何か困ってる人に対して、ハルがしれっと予想の斜め上を行く工作を作るのが毎回本当に面白い。

 だいたい電子工作が好きすぎる女子大生だけでもフツーじゃないのに、ハルの分解癖を見てるうちに「自分もハルちゃんに分解されたい…」とか考えてハアハアしてる幼馴染の「六祐(ロクスケ)君」とか、小学生なのに異常に電子工作知識のある「うに先輩」とか、特殊すぎる主要キャラ達が見てて面白すぎます。前作「犬神もっこす」といい、西餅先生の脳回路は一体全体どうなっているのか。こういう、ズレた人達が好き勝手やってる系の漫画を描かせたらピカイチですなあ、この人は。続刊にも期待です。


 全16巻。

 個性の強い登場人物オンパレードの激アツ学園バトル+純愛ラブコメ物。

 まず絵が濃い。この人の漫画は結構好きで「こまみたま」「トラウマイスタ」から読んでますが、相変わらず情念をペン先にねじ込んで描いてる感じです。登場人物の怒りや悲しみを描く時なんか絵が歪みまくって、ものすごい迫力。

 さらに登場人物も濃い。螺子巻拳という拳法を使う主人公「カギューちゃん」をはじめ、舞台となる学園が個性があるほど良しとする「絶対個性主義(キャライズム)」を掲げる学園だけあって、実に個性豊かというかぶっとんだ連中ばかりが出てきます。ラスボスである理事長とかサイコパス過ぎて寒気がします。

 むろん物語も濃い。アクの強い連中のハイテンションバトル物というだけでなく、物語を通して「絆」や「愛」の素晴らしさを訴えるテーマ性も持ち合わせています。

 で、この漫画が凄いのは、これだけキャラ立ちしまくってるのにキャラだけに頼らず、きちんと物語の根底に「愛って何?」というテーマをずっと仕込み続けている所。ともすれば敵と戦ってばかりで冗長になりがちなバトルものですが、その構造のおかげであらゆる戦いがすべて意味のあるものになって、怒涛のラストへ螺旋のように収斂していきます。ブラボー!おお…ブラボー!


 というわけで、とりあえずオーダー頂いた「最近のキャラ立ちしてて面白い漫画」は一段落。結局割とメジャー所に落ち着いてしまうのは、まあ仕方ないかなー。最近それほどマンガ読めてないし。他に思いついたらまた追加します。