漫画ナツ100(2009年版)
*集計用リストはこちら。一覧だけ見たい人もこちらをどうぞ。
いつも見てくれている人、こんにちは。初めての人、はじめまして。今年もやってまいりました、だんげさん主催の「漫画ナツ100」記事です。企画としては4回目、自分が参加するのは3回目です。すっかり毎年恒例の夏の楽しみの一つになりました。
→ちなみに企画ページはこちら。
今年は特に完全縛りなしとの事で、敢えて自分も縛り無しで奔放に100作挙げてみました。スタンダードな「コレは読んどけ!」って物から、今年読んで「おっ」と思った作品まで新旧織り交ぜて。
ただ「折角なら記事を読んだ人にその漫画を読んで欲しい」というのもあり、手に入りにくい作品は極力除きました。
そして相変わらず暑苦しくも全100作にコメント付きでの紹介です。このアツい想い、全身の毛穴で受け止めろ!
ではゴー。
・なつのロケット (あさりよしとお) 全1巻
小学生が自由研究でロケットを作る話。友達との企み・協力・衝突・そして目標の実現。かけがえのない少年時代の夏を閉じ込めた、大人の為の少年漫画です。
・ヨコハマ買い出し紀行 (芦奈野ひとし) 全14巻
人型ロボットのアルファさんを軸に、終焉が迫る世界でただゆったりと日常を暮らす人々を描いた作品。世界の終わりでも人の暖かさは変わらないという事を描いた、とても優しい漫画です。
・よつばと! (あずまきよひこ) 既刊8巻
小さな女の子「よつば」が毎日をとことん楽しむ日常コメディ。キャラの魅力と背景の描きこみが素晴らしく、よつばワールドに気持ちよく浸れます。
・ジョジョの奇妙な冒険 (荒木飛呂彦) 全63巻
もはや自分にとって血肉になっている漫画。外せるわけが無い。各部毎に魅力があるけれど、個人的にはストーリーは2部、キャラクターは4部かな。
・日常 (あらゐけいいち) 既刊4巻
淡々と進む独特のギャグ描写が面白い。ツボにはまると呼吸困難になるくらい笑えます。あと、ちびっこ科学者の「はかせ」が可愛くて可愛くてたまりません。ちびっこ白衣、万歳。
(→過去記事 2巻感想)
(→過去記事 3巻感想)
(→過去記事 4巻感想)
・そらトびタマシイ (五十嵐大介)全1巻
五十嵐作品の中で個人的ベスト1。生命感あふれる筆致で描かれた多彩な物語群は、読者を極上の漫画世界へ誘う。妖怪・伝奇物が好きな人は必読の名著。
・ささめきこと(いけだたかし) 既刊4巻
親友を好きになってしまった女子高生を描いた百合物。理に敵った展開と場面描写が、少女達の悩みと喜びを丁寧に描き出しています。「百合漫画なんて」と躊躇するにはもったいなすぎる、極めて高い完成度の漫画。読むべし。
(→過去記事 1・2巻感想)
(→過去記事 3巻感想)
(→過去記事 4巻感想)
・岳 (石塚 真一) 既刊9巻
山岳救助に従事する主人公を軸に、山の魅力と怖さをリアルに描く物語。山と人間が大好きな作者が、漫画という表現手段を持っている事に素直に感謝したい。
・私という猫 (イシデ電) 既刊1巻
もし私が猫だったら、という仮定の下に始まる野良猫達の物語。ハードな野良猫の世界を描きつつ、その中で徐々に見えてくる「絆」が胸に沁みます。
・東京クレーターのアカリ(磯本つよし) 既刊2巻
明るい主人公、魅力的なメカ、後味の良いストーリー。これだけ揃ってるのに余り知られて無い作品。読んどいて損は無いよ。
・皇国の守護者 (伊藤悠/佐藤大輔) 全5巻
原作と絵が高次元でマッチングした架空戦記物。新城含め、登場人物がどいつもこいつも一癖あってワクワクします。ただし残念ながら良い所で打ち切り。再開熱望!
・ういういDays (犬上すくね) 既刊7巻
高校生の初々しい恋愛を描いた作品。とにかく微笑ましい描写の雨あられで、思わず頬が緩んでしまう。読む時は周囲にご注意を。個人的にはかずみの恋の行方が気になります。
(→過去記事 3巻感想)
(→過去記事 5巻感想)
(→過去記事 6巻感想)
・寄生獣 (岩明均) アフタヌーン版全10巻、完全版全8巻
人間に寄生する怪物を通して、人間の在り方を問う傑作。伏線の回収も素晴らしく、後半に行くに従ってどんどん線が繋がっていくのが快感。
・七つの海 岩泉舞短編集 (岩泉舞) 全1巻
とある少年の成長を描いた表題作が、全少年漫画短編を見渡しても珠玉の部類に入る傑作。今の子供たちに是非読んで欲しいんだけど、古い漫画なので古本屋に行くしかないかな。でもそれだけの価値はあると信じます。
・朝霧の巫女 (宇河弘樹) 既刊5巻
正直前半の巫女委員会の下りとかは単なる萌え寄りで好きじゃないんだけど、4・5巻あたりから伝奇物としてメキメキ面白くなってきました。キャラ的には猫又のこまさんに激しくラブでございます。
・ピューと吹く!ジャガー(うすた京介) 既刊17巻
何が凄いって、ギャグ漫画で17巻超えてこのクオリティを保ってる事ですよ。瞬間最大風速はマサルさんの方が上だけど、安定感で言ったらジャガー。細く長く続いてほしいです。
・うさぎドロップ (宇仁田ゆみ) 既刊6巻
小さな女の子「りん」と、突然彼女と一緒に暮らすことになった中年男性の物語。4巻までは育児に右往左往する家族モノとして、5巻からはりんちゃんが大きくなって家族+恋愛モノとして楽しめます。
・MASTERキートン (浦沢直樹/勝鹿北星) 全18巻
鉄板どころだけど、大好きな作品なので上げます。私立探偵モノに考古学を絡ませた、サスペンスと人情が同時に味わえる傑作。現在絶版ですが、古本屋に行けば容易に見つかります。
・女王蟻 (大井昌和) 全3巻
月へ進出した人類と「ANT」と呼ばれる生体機械の物語。SFアクション物で、色んな映画や小説から着想元を得ているのは容易に分かるが、それでもここまでの物語にまとめ上げた手腕を評価したい。全3巻、手軽にSFのロマンに浸れます。
・家族ランドマーク (大澄剛) 全1巻
動揺すると髪が伸びる女の子を軸に、とある家族の衝突や仲直りを描いた連作物。キャラ立てや台詞回しが上手で、物語に素直に入り込めます。非常に暖かい良作でした。
・AKIRA (大友克洋) 全6巻
SF漫画の金字塔。これだけの緻密な絵で、これだけのスケール感で、これだけ長い間(全6巻)飽きさせないSF物って、やっぱり凄い。
・ミスミソウ (押切蓮介) 全3巻
美しい少女の、いじめっ子への凄絶な復讐劇を描いた作品。容赦の無い残酷描写は読者の嗜虐趣味を満足させると共に、立ち止まって物語の本当の意味を考えさせる為の「止まれ」の標識だと思います。
・怪異いかさま博覧亭 (小竹田貴弘) 既刊3巻
妖怪物は好きなので表紙買いで読んでみたら大当たり。江戸の町人物語にあやかしを混ぜ込んだ、賑やかで暖かい日常コメディに仕上がってます。最近のオススメ物件。
・罪と罰 (落合尚之) 既刊6巻
ドストエフスキーの同名文学を基に、現代を舞台に変えて翻案した漫画作品。決して堅苦しい事無く、人間ドラマをエンターテイメントとして楽しみながらも、深く考える事も出来る良作。
(→過去記事 1・2巻感想)
(→過去記事 5巻感想)
(→過去記事 6巻感想)
・菫画報 (小原槇司) 全4巻
高校の新聞部を舞台にした学園コメディ。小原槇司のどこかレトロな魅力のある作風は、ハマる人にはたまらない。
・○本の住人 (Kashmir) 既刊3巻
絵本作家でオタクの兄とツッコミ役の妹を軸に描かれるコメディ。ただし周りに変キャラが多すぎて妹さんは大変そう。そんな中に日常の暖かさを滑りこませる所が巧い。
・純水アドレッセンス (かずまこを) 全1巻
保健の先生と生徒の恋愛を描いた百合物。展開のテンポと、キャラ達の表情付けが非常に巧く、とても初単行本とは思えない完成度でした。今後に期待の作家さんです。さあ、皆もレッツ・キュン死!
・空色動画 (片山ユキヲ) 全3巻
アニメ製作にハマった女子高生を描いた青春物。「つくる楽しさ」を全身で表現する彼女達の姿は、あらゆる「つくるひと」への空色のエールです。
・ヒャッコ (カトウハルアキ) 既刊4巻
女子高生の騒々しい日常を描いたコメディ作品。そういやアニメ化もされましたね。見てないけど。少なくとも漫画の方はオススメ。女の子達の高校生活を気負わず眺めて楽しめるナイスな逸品です。個人的には虎子と先生の関係が好き。
(→過去記事 1巻感想)
(→過去記事 ペンネームのヒミツ)
・銃夢 (木城ゆきと) 全9巻
サイボーグの少女「ガリィ」が主人公の近未来バトルアクション。とにかくアクション描写と緻密な設定が凄い!
・巨娘 (木村紺) 既刊1巻
背も態度もスケールもデカい巨大な娘さん=巨娘を描いた特濃ギャグ漫画。書きこみのネタが多くて読むのに疲れますが、毎回腹がよじれるほど笑えます。ああ2巻が待ち遠しい。
・棺担ぎのクロ。 (きゆづきさとこ) 既刊2巻
「GA」のきゆづきさとこ先生描く、童話風の4コマ。魔女の呪いを受けた少女「クロ」が、旅の道連れになった双子の子供を助け、助けられる様子が見所。独特の絵柄も手伝って、心地よいファンタジー世界を生み出しています。
・もっけ (熊倉隆敏) 全9巻
妖怪に縁がある姉妹の成長を描いた作品。人物描写が非常に丁寧で、色んな物の怪との事件を通じて、彼女達が一歩づつ成長していくのが見ていて本当に清々しい良作。
・この世界の片隅に (こうの史代) 全3巻
「夕凪の街桜の国」で二次大戦を鋭く描き出して見せたこうの先生が、再び世に送り出した傑作。驚くべき構成力と漫画独特の表現力によって、戦争の無機質さ・凄惨さと、人の暖かさ・強さを対比して描いています。「漫画」にこてんぱんに打ちのめされる心地よさを味わいたい人は、是非。
・今日の早川さん (COCO) 既刊2巻
いろんな本好きの女性達の日常を描いたコメディ作品。いかにも書痴らしいネタを楽しみつつも、彼女達なりのゆるやかな絆が暖かくて心地よい。丸っこくてシンプルな絵も好み。2巻の悪魔の話は良かったなあ。
・ふたりごと自由帳 (小坂俊二/重野なおき) 全1巻
青年期の男女たちの心情を描いた短編集。読んでて思い当たる事が多すぎるのは作者二人の鋭い観察眼によるものか。ゆっくりと心に沁みこんでくる良作。
・天然あるみにゅーむ! (こむそう) 既刊1巻
きらら連載の女子空手部の面々を描いた日常モノ4コマ。ネタの完成度が高くて笑えるのはもちろん、とにかく線がエロい。部活少女の健康的なエロさを堪能したければコレだ。
・宇宙兄弟 (小山宙哉) 既刊6巻
弟より出遅れて宇宙を目指す兄の奮闘を描いた物語。宇宙を目指す人々の人間ドラマが非常に良く出来ていて、どんどん頁を繰ってしまいます。硬くなりすぎないように織り交ぜられたコメディ的な部分も巧いです。
・はれた日は学校を休んで (西原理恵子) 全1巻
(←文庫版)
少年少女の思春期の心の揺らぎを丁寧に描いた西原式中学生日記。コレ毎年選んでるな。そして毎年同じ事言うけど、出来るだけ若いうちに読んだ方が良い。つまり今すぐ、だ。
・モンスターキネマトグラフ (坂木原レム) 全1巻
興奮すると怪獣に変身する、という特異体質の女性の悲喜交々を描いた作品。基本コメディながら、ちょっと良い話も織り込んだりしてて新人とは思えない完成度の良作でした。
・空想科学X (saxyun) 既刊2巻
ボケ役の博士とツッコミ役のコトちゃんの終わらない二人舞台。Saxyun先生の漫画はどことなく乾いた雰囲気のギャグが癖になる珍味。あとコトちゃんかわいいよコトちゃん。
・うぃずりず (里好) 既刊3巻
日本人より日本人らしい金髪碧眼の女の子「リズ」を軸に描かれるワクワク小学生ライフ。騒々しくて楽しい中に、たまにちょっと真面目なエピソードを混ぜ込むのが巧い。次にきららでアニメ化されるとしたら、コレか「ゆゆ式」じゃないでしょうか。それほどの完成度。
・無限の住人 (沙村宏明) 既刊24巻
「ネオ時代劇」という惹句も今となっては懐かしい老舗のチャンバラアクション。初期はド派手な殺陣が、中盤以降は練りこまれた人間ドラマが見所。多少冗長になってきた気もするが、単行本でまとめて読むとちゃんと面白いから凄い。最終章との事で、あと2〜3巻で終わりそう。
・みずたま注意報 (山東ユカ) 全3巻
主人公「雨音玲音」の、家が隣で幼馴染でおでこちゃんで天然ニブチン娘という特盛り属性の前では、「明日の天気が100%わかる」という特殊能力も霞んで見えます。というわけで幼馴染同士の不器用な恋を堪能したければコレがオススメ。ああもう可愛すぎるぜ玲音ちゃん。
・がんばれ酢めし疑獄!! (施川ユウキ) 全5巻
「何か笑える漫画ない?」と聞かれて最初に貸す漫画はコレとギャグマンガ日和と決めてます。パロディに依らない言葉の力だけで笑わせる稀有の才能を持った人です。
・百舌谷さん逆上する (篠房六郎) 既刊3巻
ツンデレ少女とM男子のドタバタギャグの裏に潜んだ、人と人のすれ違いのもどかしさ。篠房先生の、ぶっ飛んだギャグ漫画に哲学的なテーマを仕込むイタズラっ子ぶりは、「家政婦が黙殺」から変わらぬ妙味。素晴らしい。
・チェーザレ (惣領冬実) 既刊6巻
歴史上のもう一人のカエサル「チェーザレ・ボルジア」を描いた歴史モノ。膨大な歴史資料を使いつつも、飽くまでも一人一人の人間を丁寧に描く姿勢が読んでいて気持ち良い。完結までは遠そうだけど、完結したら傑作間違いなし。
・シャカリキ! (曽田正人) ワイド版で全7巻
自転車レース漫画の金字塔。クライマーである主人公をはじめ、とにかくアツい連中ばかり。まさにオトコノコの為の熱血スポーツ漫画です。むしろクーラーを切って読め!
・あしたの弱音 (タイム涼介) 全1巻
何事にも全力で立ち向かう、ちょんまげ中学生の空回りと自己実現を描いた作品。青臭い事ばかり言うくせに無視できないのは、彼が「血を流し続けるバカ」だからに他ならない。青春ここにあり。
・未満れんあい (高嶋ひろみ) 既刊2巻
純真で素直な中学生に片想いしてしまったエロゲ会社勤務の中年の右往左往を描いた物語。ストーリーも面白いのですが、とにかくヒロインのともえちゃんが可愛くて可愛くて可愛くてもう!もう!そりゃ黒瀬も惚れますよ。
・CYNTHIA THE MISSION (高遠るい) 全9巻
激しく戦う女子高生達を描いたストリートファイト物。殺し屋として孤独だった主人公シンシアが、戦いを通じて友との絆を深めていくのが良い。BGMは筋少の「戦え!何を?人生を!」でどうぞ。
(→過去記事 1〜5巻感想)
(→過去記事 6・7巻感想)
(→過去記事 8巻感想)
(→過去記事 9巻感想)
・めぞん一刻 (高橋留美子) 愛蔵版で全10巻、新装版で全15巻
恋愛漫画の金字塔。これは外せないなあ。読み返すたびに色んなキャラの色んな良さが見えてきて何度も楽しめます。
・異国迷路のクロワーゼ (武田日向) 既刊2巻
舞台は19世紀後半。異国で奉公する日本の少女「湯音(ゆね)」とその主人「クロード」を描いた物語。最初は馴染めなかった湯音が徐々に「家族」になっていく様子や、逆に湯音によって「大切なもの」に気付かされるクロードの変化が見所。美麗で可愛らしい絵柄と暖かい物語がベストマッチした良作です。
・結界師 (田辺イエロウ) 既刊24巻
少年サンデー連載中の妖怪バトル漫画。人の絆や成長をしっかり描いた、非常に良質な少年漫画。地に足が着いた面白さを持っています。主人公の一人、お姉さんキャラの時音も可愛いしね。
(→過去記事 8巻感想)
(→過去記事 16巻感想)
(→過去記事 20巻感想)
(→過去記事 21巻感想)
・くらしのいずみ (谷川史子) 全1巻
どこにでもいるような夫婦や家族を描いた連作物。何物にも代えがたい日常の暖かさ・尊さが、じわりと沁みこんで来る短編集。思えばこれがファースト谷川史子インパクトでした。
・神々の山嶺 (谷口ジロー/夢枕獏) 全5巻
恥ずかしながら今年初めて読みました。エベレストを舞台に描かれる人間模様と、山そのもの素晴らしさ。そしてそれを描き出す原作のストーリーラインと、描き手の確かな描線。実に骨太で面白い漫画でした。傑作。
・預言者ピッピ (地下沢中也) 既刊1巻
未来がわかるロボット「ピッピ」を軸に、人間の業を描いた近未来SFもの。予想外の物語の連続と、そこに込められた意味の深さにただ唸るばかりの傑作です。ただ、2巻を気長に待てる人限定で超オススメです。
・紫電改のタカ (ちばてつや) 全4巻
二次大戦の撃墜王を描いた戦争ヒーロー物かと思いきや、中盤から強烈に描かれる反戦メッセージ。滝一飛曹の叫びは、そのままちばてつやの叫びだ。
・おもいでエマノン (鶴田謙二/梶尾真治) 全1巻
梶尾真治氏著のSF小説の金字塔(らしい)を、鶴田謙二先生が漫画化。旅路で出会った煙草をふかす美少女は実は…、というお話。一分の隙も無い恐ろしい完成度に圧倒されました。
・共鳴せよ!私立轟高校図書委員会 (D・キッサン) 既刊3巻
ちょっとマイナーだけど、いま確実に面白い学園コメディ。文化部系の楽しい学園漫画としては相当に完成度の高いレベルです。既刊3巻と今なら集めやすいですよ。
・ブラック・ジャック (手塚治虫) 全25巻、新装版では全17巻
一番好きな漫画は?と問われたときに答える漫画、不動のナンバーワン。物語の面白さ、キャラの魅力ともに超一級品。天才外科医であるBJの支えになっているのが、「小さきもの」であるピノコ、という構造が堪らなく好きです。
・コブラ (寺沢武一) 完全版で全12巻
SFアクションの古典。物語の面白さと洒落たセリフ回しは、今読んでも全く色褪せていません。未読の人は漫画喫茶でもいいから是非。
・羊のうた (冬目景) 全7巻
冬目先生の完結物でマイベスト。生き血を欲する病気を持った姉弟と、それにまつわる人々の悩みや悲哀を描いた人間ドラマ。ちなみに自分は八重樫さん派です。
・レベルE (富樫義博)全3巻
富樫先生の作品ではこれが一番好き。「予想の斜め上を行く」という言葉を生み出した、まさに読者の予想の斜め上をいくコメディ。ブラックな所も含め、本当に面白い傑作です。
・TRIGUN MAXIMUM (内藤泰弘) 全14巻
とある惑星を舞台にした西部劇風SFガンアクション。スタイリッシュな戦闘描写が見所ですが、主人公とその相棒と個性的な敵、全てに確固とした「戦う理由」がある事が、その闘いにアツさをプラスします。名作。
・神聖モテモテ王国 (ながいけん) 旧版、新装版共に全6巻
祝・新装版発刊。これでもかこれでもかと繰り出されるセリフ回しのギャグに抱腹絶倒必至の、至高のギャグ漫画。どんな脳みそしてたらこんな展開が思いつくんだ?
・デビルマン (永井豪) 全5巻
悪魔と人間の凄絶な闘いを通じて描かれる「人間らしさ」。これが無ければ生まれなかった作品がどれだけあることか。もし未読の人は是非。
・LR少女探偵団 (濱元隆輔) 全1巻
濱元先生独特のざっくりした絵で描かれる日常コメディ。探偵らしいことは何一つしていない気もするが、読んでて楽しいから「これでいいのだ」。
・ドロヘドロ (林田球) 既刊13巻
血しぶき溢れるアクションとコミカルな部分が産み出す独特のドロヘドロ世界。物語りもいよいよ佳境。どんどん面白くなってきました。
・はやて×ブレード (林家志弦) 既刊10巻
チャンバラを推奨する学園で暮らす女子中高生を描いた作品。剣劇が目に楽しいのはもちろん、女の子いっぱいで更に目に楽しい。ギャグ描写も巧く、肩の力を抜いて楽しめる良作です。
・ルー=ガルー 忌避すべき狼 (樋口彰彦/京極夏彦) 全5巻
管理社会に反抗する女子高生を描いた近未来SF武侠もの。少女達それぞれに魅力があるけれど、特に天才+姐御キャラである美緒が好き。
(→過去記事 1・2巻感想)
(→過去記事 4巻感想)
(→過去記事 5巻感想)
・ジャバウォッキー (久正人) 全7巻
何?トンデモ学説を交えた痛快なバディ・アクションが読みたい?ならばジャバウォッキーを読め。絵に抵抗が無いなら、そこは既に約束の地だ。
(→過去記事 1・2巻感想)
(→過去記事 4巻感想)
(→過去記事 5巻感想)
・ヘルシング (平野耕太) 全10巻
お疲れ様でした、の意を込めて上げました。化物が主人公のハードなダークアクションでありながら、徹底的に「人間」を描いた傑作。今なら全10巻、一気に読めます。
・BLACK LAGOON (広江礼威) 既刊8巻
セリフ回しもストーリーも俺のツボ直撃のガンアクション物。特に双子編の完成度はピカイチ。キャラ的には地獄メイドのロベルタちんが最高です。
・ひなぎく純真女学園 (ふくやまけいこ) 既刊2巻
女子学園を舞台にした微百合コメディ。決して萌え寄りの絵ではありませんが、それ故に滲み出る女の子そのものの可愛さが実に良い。読んでいてとても癒されます。
・T.Pぼん (藤子・F・不二雄) コンビ二版で全5巻。直近では潮出版社のスペシャル版全3巻が入手しやすいようです。
歴史を変えないように人を救うタイムパトロール隊員を描いたSFもの。現代の日常に混じりこむ非日常(タイムパトロール)が、過去の世界の日常を繋げているという構造が面白い。もちろんストーリーテリングの巧さは言うまでも無く。藤子F先生の作品でも5本の指に入るくらい好きです。
・うしおととら (藤田和日郎) サンデーコミックス全33巻、ワイド版全18巻
絶対無敵王道少年漫画。妖怪「とら」と共に戦う少年「潮」の成長を描いた妖怪バトル物。キャラ達の生き様死に様が非常にアツくて、何度読んでも必ず泣ける名作。当時この漫画にどれだけ元気を貰った事か…。少年よ!読め!
・ジーザス (藤原芳秀/七月鏡一) サンデーコミックス全13巻、ワイド版で全7巻
少年サンデーに連載されていたハードボイルドアクション。芝居がかった台詞と展開は七月先生のお家芸。自らの信念を持って戦う男達と女達が胸を打つ名作です。
・HOTEL Boichi作品集 (Boichi) 全1巻
「サンケンロック」でギャングの成り上がり物を描いているBoichi氏のSF連作。これだけ緻密で深い物語を描ける人とは思っていませんでしたので、良い意味で裏切られました。SFという言葉に少しでも反応する人は読んどいて損はないかと思います。
・クロとマルコ (堀骨砕三) 全1巻
この人のエロ漫画は読んだ事無かったので、この作品が堀骨ワールド初体験でした。「人」の記号を残した機械や怪物が出てくるSF+ファンタジー連作。ちょっと気味が悪いのに何故か惹かれてしまう、不思議な魅力を持った世界観です。こういうのいいなあ。
・ギャグマンガ日和 (増田こうすけ) 既刊10巻
ギャグ漫画としてもはや鉄板。是非このテンションで描き続けて言って欲しいものです
・ザ・コクピット (松本零士) 愛蔵版全5巻、文庫版全11巻
二次大戦の戦記物連作。信念を持って戦う男達の生き様、死に様が心を震わせる傑作。魂に火を入れたいなら迷わずコレだ。
・ベルセルク (三浦健太郎) 既刊33巻
いつ終わるのかなー、とか鷹の団編が一番面白かったよなー、とか思いながら、新刊が出ると速攻買ってすぐ読んじゃう伝奇バトル物。漫画界のグイン・サーガになりつつあります。どこまでも付き合うから、ちゃんと着地させて欲しい。
・惑星のさみだれ (水上悟志) 既刊7巻
近くアニメ化する事を信じて疑わない傑作。世界を壊そうとする魔法使いとの闘いの中で心体ともに成長していく主人公達の姿は、まさに絶対王道少年漫画。燃えて泣ける素晴らしい漫画です。読んで損なし。
(→過去記事 1〜3巻感想)
(→過去記事 5巻感想)
(→過去記事 6巻感想)
(→過去記事 7巻感想)
(→過去記事 タイトルの意味)
・南波と海鈴 (南方純) 既刊2巻
ゆるゆる百合コメディ。猫耳少女の南波(ななみ)とちょっとツンデレ少女の海鈴(みすず)が主人公。南波の可愛さと、それに対して素直に可愛いと言えない海鈴の可愛さが、ひたすらキュンキュンさせてくれます。柔らかめの絵も好き。
ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」 (アニメージュ・コミックス・ワイド版)
- 作者: 宮崎駿
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2003/10/31
- メディア: コミック
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・となりのネネコさん (宮原るり) 既刊3巻
猫目猫口で得意技は呪いをかける事、というちょっと変わった転校生「ネネコさん」を軸に描かれる宮原式中学生日記。ドタバタギャグの中に織り交ぜられた、中学生らしい心の揺らぎが、いつ読んでも胸に沁みます。今中学生の人にも、中学生だった人にもオススメ。これは良いものだ。
・RED (村枝賢一) 全19巻
一族の仇を取る為に壮絶な闘いに身を投じるインディアンを描いたアクション物。主人公を初めとするアツい男達の生き様と、その側にいる女の生き様が胸を打つ傑作。
・だって愛してる (むんこ) 既刊2巻
凸凹夫婦の生活を描いた4コマ漫画。誰かに想われる事、誰かを想う事…そんな「日常の暖かさ」をしっかり描いた感涙必至の名作。万人にオススメできます。
・ふたつのスピカ (柳沼行) 既刊15巻
宇宙を目指す少年少女を描いたハートウォーミングな学園物。キャラそれぞれの「宇宙を目指す理由」があって、それがいろいろなエピソードを生みだすのを読んでいる内に、どんどん彼らに感情移入してしまいます。次巻で終わりとのことで、どんな着地を見せてくれるのか楽しみです。
(→過去記事 8〜10巻感想)
(→過去記事 11〜14巻感想)
(→過去記事 15巻感想)
・蛮勇引力 (山口貴由) 愛蔵版で全2巻
覚悟のススメ、シグルイは皆読んでると思うので敢えてこちらを。近未来の管理社会に反抗する侠客達を描いた名作。少年漫画の頃のアツさはそのままに、ひたすらカッコいい男達が実に魅力的です。
・へうげもの (山田芳裕) 既刊9巻
芸術に惹かれる者=数寄者の武士を軸に描かれる一風変わった戦国物。ずっと面白かったけど、9巻に至って面白さのステージがまた一つ上がりました。考えてみればこの漫画、生き様が丁寧に描かれてるから、死に様に心打たれるんだよなあ。素晴らしい。
・絶望に効くクスリ (山田玲司) 全15巻
漫画界の永遠のアニキ、山田玲司が絶望の日本を救う為に色々な人に話を聞くノンフィクション対談物。出てくる人出てくる人、皆良い事言うんだコレが。マジで元気出る漫画です。
・ひめなカメナ (結城心一) 全4巻
丸っこくて可愛らしい絵で描かれる、予想の斜め上から降り注ぐギャグ描写。そして細かすぎるパロディ。読む人が限られる漫画とは思いますが、ハマる人にはたまらない。
・ヴィンランド・サガ (幸村誠) 既刊7巻
いま問答無用で面白いヴァイキング戦記物。骨太で不器用な男達の生き様が、読者の魂の扉をぶっ叩きまくる大傑作です。キンタマ付いた生き物なら拳を握り締める事必至。
・悪徒 -ACT- (横島一/猪原賽) 全2巻
少年チャンピオンに連載されるべくして生まれた激アツ侠(オトコ)バトル漫画。変な擬音とかキャラが笑いでなく、全て物語のアツさに変換されていく様はかつての「覚悟のススメ」のよう。これを打ち切るとかありえない。再開熱望。
・金魚屋古書店 (芳崎せいむ) 既刊8巻
漫画専門の古書店を舞台に描かれる人情物語。登場してくる漫画にも人物にも、暖かい温度を感じる漫画好きのための漫画です。漫画好きならきっと楽しめるかと。
・湘南爆走族 (吉田聡) 完全版で全14巻
不良漫画の永遠の金字塔。ギャグ漫画としても最高に面白いし、青春物としても素晴らしい出来。今なら完全版も出てて集めやすいかと。
・金色のガッシュ!! (雷句誠) 全33巻
能力バトル物の少年漫画。今年初めて通しで読みましたけど、こんなに熱くて泣ける漫画だったなんて!登場人物たちの絆こそが強大な敵を打ち破る、という超王道展開なのに泣けてしまうのは、やはりキャラ立てがしっかりしている故かと。グッジョブです。
・弱虫ペダル (渡辺航) 既刊7巻
アツいゼアツいぜアツくて死ぬぜ!(死ぬの?)オタクの主人公がいつの間にかのめり込んだのは、なんと自転車レース。少年達の成長と切磋琢磨が心震わせる良作です。ここ最近は単行本1冊に燃え泣き所が最低1つはあって、とてもじゃないけど人前では読めません。
以上100作品。
コメントに関しては昨年の流用をしたのも有り。
毎年のことですが、疲れたー。蔵書リストの整理、選定、コメント付け含めたら20時間くらい掛かった気がする…。でも楽しい。
何か引っ掛かる作品があった人は是非読んでみてください。
それでは良き漫画ライフを。
- 関連過去記事
こちらははてなダイアリークラブ。
おまけに「10巻以内漫画」で1〜10巻完結物の記事。