ジャバウォッキー 5巻
「モビーディックは鯨なんかじゃない。
海には 思いもよらないものが
平気でいるのよ。」
- 作者: 久正人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/23
- メディア: コミック
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さて、そろそろ皆さん気付き始める頃かと思う。このヤバさに。
それは、掛け値無く面白い漫画がWeb連載でひっそりと、しかし着実に連載され続けているというヤバさ。
丁度今巻に登場したキーアイテムを用いて例えるならば、ちょっとした衝撃で燃焼する黄リンマッチが、皆様の周囲に鼻歌交じりで敷き詰められ続けている状況を想像してみれば、いかな鈍チンといえどもその危険さが如何程のものか想像が出来るだろう。不用意に身じろぎしようものなら、「それ」は即座に発火し、燃え広がり、たちまち読者の心臓を灼き尽くしてしまう。
いや、自分は何も「注意しろ」「避けろ」と言っているわけではない。実の所、これはお誘いだ。コイツにすっかり灼かれてしまった者から、未読の方へのお誘い。
一言で言えば、まあ、つまり、結局こういう事。
「さあ、一緒に燃えようぜ」
というわけで直立恐竜のサバタとセクシーな女諜報員リリーのコンビが胸のすく活劇を魅せてくれる唯一無二のスタイリッシュアクション漫画、「ジャバウォッキー」の第5巻が発売されました。ハラショー。
ちょっともったいぶった前置きでしたが、それほどまでに面白いですコレ。クセのありすぎる絵とか洒落た台詞回しとか予想の斜め上後方を行く歴史のifとか、受け入れられない人にとってはマイナスの要素ばかりなんですが、逆にそれが受け入れられる幸運な御仁にとってこれほどツボに入る漫画は6500万年前まで検索したってありゃしない。ワタクシはすっかりベタ惚れであります。
4巻が出たのが3月なので、この早い刊行ペースはファンとしては嬉しい限り。単行本派なのでWebの方は読んでませんが、結構なペース・頁数で掲載してる様子。
さて、5巻は4巻からの続き「マッチポンプ編」の完結までと、次なるエピソード「バック&ディック編」の途中まで。今巻も実に実にエンターテインメントな内容でございました。
<この先はネタバレ含む感想ですのでご注意>
「マッチポンプ編」
・コードネーム
・サックスマン、あっさり首チョンパと思ったら、予想外の正体が明らかに。こういう知的好奇心と物語的興奮を同時に満たす展開はこの漫画の真骨頂。
・教主と教団員の掛け合いが面白い。こういうちょっとコメディ的な部分でのテンポも巧い。
・アングレームの見せ場がスゴイ。そういや4巻でも驚異的な体術見せてたもんなあ。実は相当強いのでは。走り出す前にサックスマンにキスする所がちょっと哀しい。
・「有翼の蛇」との事ですが、2巻で登場したミクロラプトルも関係あるんでしょうか。アレも翼竜だし。
・仇敵ジャンゴ再登場!しかも何ですかそのネジ!いやー燃えるねえこういう展開。
「バック&ディック編」
・モビーディックは鯨ではなく首長竜だったという話。ホントにとんでもない嘘をつくねえ、この作者さんは(もちろん褒め言葉)。
・潜水艇アグナサ号とか、こういうステキ形態の乗り物もスパイアクションっぽくて良いです。ちなみに2巻とか3巻の終わりの方でもチラッと出てましたね。
・スターバックに嫉妬してぶんむくれてるリリーが可愛いこと可愛いこと。しかしサバタ、リリーが泣いたのを喋ったのはちょっと迂闊でした。この食堂でのやりとりがまた面白い。
・鼻以外はちょっと弱そうな恐竜に操られてる首長竜も絶滅以前の姿。さっきも例に出したミクロラプトルの話もそうでしたけど、絶滅以前の姿で恐竜を発生させて操る技術を持ってる集団がいるのかも。
・で、また良い所で次巻に続き。ちっくしょう、引きが巧いにも程がある。
次は10月くらいか?さてさて今度はどんな山場を魅せてくれるのか。楽しみ楽しみ。
- 過去記事
→4巻感想
- 余談
ジャバウォッキーの感想見て回ってたら今回のゲスト、片岡人生センセのブログがはてなダイアリーにありました。
一応直リンクは避けておきます→ttp://d.hatena.ne.jp/kataoka1979/20080621
で、読んでみたらはてなダイアリーでラブコール出してたらゲストの依頼が来たとの事。片岡先生って角川系なのになんで講談社?と思ったらそういう事でしたか。
こういう繋がりって何かイイね。