橙星(だいだいぼし) 1巻
- 作者: 群青
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2008/06/25
- メディア: コミック
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たどり着けない幻の国、と言われる「
朔 の国」。そこには「四つ星」と呼ばれる四人の魔女が封じられていて、彼女達全員に会えばどんな願いでも叶えてくれるという。ある日、お城の宝物庫から逃げ出した少女「
橙 」は、動くぬいぐるみのチョコ・ミトン・バニラの3人組と共に旅に出る。小さな一人ともっと小さな三人の旅の目的は、「四つ星」に会って願いを叶えてもらう事。( その旅の中、橙は生い茂る草に埋もれて眠っている少年型のロボットを見つける。彼女が触れると起動したそのロボットは「松葉」と名乗り、橙の事が一目で気に入った彼も旅に同行する事に。
橙が宝物庫に閉じ込められていた理由、何十年も眠っていた松葉の過去、四つ星の言い伝えの真相、そして彼女達の願いとは…?
様々な謎と不思議を詰め込んだ彼女達の旅は、まだまだ始まったばかり――。
あらすじはそんな所。要はファンタジー冒険ものなんですが、絵の暖かい雰囲気や世界観が非常に良く、キャラクター達も魅力的。表紙絵に一目惚れして買いましたが、これはアタリでした。
無表情なロボット「松葉」がボケ役になったり、やんちゃで元気な三人組チョコ・ミトン・バニラが物語のトーンを明るくしたりしながら進む物語は、その活き活きとした描線も手伝って実に賑やかで引き込まれます。
しかしその裏側で、橙に城の追っ手がかかっている事や、松葉の過去、三人組の正体、強大な力を持つ魔女達、と言ったシリアス要素が物語に影を加えることによって、全体の雰囲気に良いバランスを生み出しています。
そんな物語の中でぴしっと背骨になっているのが主人公「橙」の可愛らしさと真っ直ぐさ。正直、彼女は台詞がほとんどありません。主人公の癖に主要キャラの中で一番少ないくらい。
宝物庫に幽閉されていた為か、彼女は誰よりも口下手な少女。ぎこちなく笑う少女。でも、彼女は誰よりも一生懸命で、常に前を向いて進みます。それが見ていて実に気持ち良い。
↓こちらは魔女の一人「金蒼」に願いを言う橙。
圧倒的な魔力を持った「四つ星」の一人の前で懸命に言葉を紡ぐ橙。その目には強い光が宿っています。一生懸命な少女というのは本当に良い。
で、彼女は「嬉しい時に周りに花を咲かせる」なんてメルヘンな能力も持っているわけですが、その時にいつも「うへへ」とか「うふ」とか言って変な顔で不器用に笑うんですよ。それが読んでいくうちに物凄く可愛く見えてくるから不思議。
続刊も購入決定。こういうの好きです。
- おまけ
はまぞうで表紙画像出てないんで。
この表紙でピンと来る人なら買って損はない内容かと思います。
- 余談
カバー下のおまけ漫画がとてもフリーダムでよろしい。どんどんやってください。