ジャバウォッキー 4巻
「『クリミアの天使』ともあろうお人がはしたない!」
- 作者: 久正人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/21
- メディア: コミック
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待ってましたの第4巻。
今年のマンガナツ100でも選に入れた痛快爽快なバディ・アクション。今巻でも直立恐竜のサバタと美人諜報員のリリーが19世紀を舞台に胸のすくアクションと謎解きを魅せてくれます。一時期「打ち切り?」なんて噂も聞いたけれど、要はWeb連載に移行したって事なのね。一般受けしてないのかしらん。面白いのになあ。
だいたい恐竜が大絶滅を生き延びて直立恐竜になって歴史の陰で暗躍してるとか、坂本龍馬が幕末を生き延びて秘密諜報部に属してるとか、そういうトンデモ設定からして最早ロマンの塊みたいなもんですよ。おまけに主人公の二人は、方や恐竜のサバタはロングコートを羽織った銃の名手、方やリリーは明晰な頭脳と魅惑的な肢体を持った女諜報員ときてる。一見ちょいと頭を捻れば出てきそうな設定ではあるものの、これほどまでにスタイリッシュな絵柄と解りやすいストーリーで読ませてくれる漫画家がいるかといったら話は別。イカス男女のハードボイルドアクションに「歴史のIF」を過剰にトッピングして作り上げられた、この作者さんにしか描けない唯一無二のエンターテインメント作品に仕上がってます。1・2巻の感想書いたときも薦めたけど、本当に面白い良作。
さて、4巻はリリーの故郷ロンドンを舞台にした「切り裂きジャック編」完全収録と、恐竜絶滅計画を目論む「サックスマン編」の冒頭まで。
で、なんと言っても今巻のナイスキャラは「切り裂きジャック編」に出てくるフローレンス・ナイチンゲール。舞台設定が19世紀末なんで彼女は当然婆さまなわけですが、一見車椅子に乗った老淑女ながら、正体は切れ者食わせ者にも程があるステキなアクティブババア。車椅子の車輪に刻印された「007」の意味がわかった時、読者に残された行動は快哉を唱え膝を打って笑う事しかない。カッコ良すぎてたまらねえ。
ちなみに一番上のセリフはお察しの通りナイチンゲールに向けた側近の言葉。何がどう「はしたない」のかは是非自分の目で確かめて欲しい。
更に「サックスマン編」ではコードネーム「
おいおい、主人公2人もしっかりしないと脇役に食われちまうぞコレ。
巻を重ねる毎に話の作りもこなれてきて益々良い感じ。いやー、続刊も楽しみ楽しみ。