TRIBAL12 3巻


TRIBAL12(3)<完> (KCデラックス)

TRIBAL12(3)<完> (KCデラックス)

 全員集合イラスト…グレートーンの色使い…

 こいつはくせえーッ!表紙から最終巻の匂いがプンプンするぜーッ!

 という具合にドキドキしながら読んだらやっぱり最終巻でした。また打ち切りっスか…。前回2巻の感想書いたときに「格段に面白くなってきました」と書いたばっかりなのにねえ。好きな漫画が中途半端に終わっちゃうのはいつも悲しいものです。


 内容は最終巻だけあってかなり駆け足。敵の「5人の悪夢」の連中も12(トゥエルブ)の連中もちょこっとずつ見せ場あるものの基本的には短期決戦。敵の本拠地に突っ込んでラスボス倒して終了。12のメンバーが結構個性的で色々見せ場が出来ただろうに、本当に勿体無い。個人的にはメリー、ミニー、カガチが好き。


 長田先生のあとがきによりますと、「トト」「トト!」「TRIBAL12」と続いてきた似たような設定の漫画も、「ようやく完結させることが出来ました」とか。作者としては満足してるように書いてますが、実際はリベンジの連続だったんでしょうなあ。


 失礼な物言いになりますけど、この人長編連載向いてないんじゃないでしょうか。見せたい物をバチッと決めて構成を練り込んで作った短編や単巻物の方がこの人の味が出るような気がします。絵の魅力は十二分にあると思いますので。そういう意味では自分にとって岩原裕二先生に近い作家さんですね。


 まー長田先生の事ですからどこかでまた復活するかと思いますので、その時を楽しみに待つとします。


  • 過去記事

 →「TRIBAL12」1巻感想
 →「TRIBAL12」2巻感想


  • 余談

 というわけで長田作品の俺的ベストは「MAGARA」。規律の厳しい近未来の工場町で繰り広げられる少年達のレジスタンス劇。これがファースト長田インパクトでしたので印象が強いせいもありますが…今読んでも燃える。

 

Magara―長田裕幸作品集 (ダイトコミックス)

Magara―長田裕幸作品集 (ダイトコミックス)


 次点は短編集の「歯車競争」。破天荒警官ものの「109」も面白いけど、バスジャックされたバスが更にバスジャックされる「JACK」はテーマ性・構成・オチ共に大好き。

 

歯車競走 (九竜コミックス)

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