惑星のさみだれ 1〜3巻
連休中に読んで面白かった漫画その3。
「この時ぼくの魂は 呑まれてしまった 目の前の小さな魔王に 惑星を砕く物語に」
- 作者: 水上悟志
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2006/01/27
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- 作者: 水上悟志
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「雨宮夕日」は地方都市に住む平凡な大学生。しかし、ある日彼の前に人語を話すトカゲが現れ、「悪い魔法使いから姫を守る騎士となり、地球の危機を救ってくれ」などと荒唐無稽な事を言い出す。「僕には関係ないね」とばかりにクールに拒否する夕日だったが、早速魔法使いの放った刺客「泥人形」に襲われ、死にそうな目に遭う。そこに現れ、鉄拳で泥人形をぶっ飛ばして彼の危機を助けたのは「姫」の指輪を持つ「朝比奈さみだれ」。
新米とはいえ騎士より強いおかしな姫は、更におかしな事を言い出す。「魔法使いに地球を壊させたりしない!愛しい地球を壊すんはアタシじゃー!」
姫というより魔王のような彼女にすっかり虜になってしまい、彼女に忠誠を誓って「惑星を守って砕く物語」の一員となった夕日。
小さな町でこじんまりと進む壮大な物語は、こうして幕を開けた!
あらすじはそんな所。話の舞台が小さな町から出ないし、登場人物も近所にいる人達ばかりなのに、惑星レベルの危機を扱ってるというギャップが面白い。特に惑星を砕く魔法使いの武器「ビスケットハンマー」なんて、もう笑うしかない形で登場します。
基本的にはボーイ・ミーツ・ガールのお話+ご近所系SFなんですが、そういうギャップの付け方とかキャラの味付けが面白くてスルスル読めてしまいます。過去に受けた傷の為、根暗で人付き合いが悪くて根性のひん曲がった主人公の夕日が、姫や仲間の騎士に出会って人間的に成長していく様も中々に読み応えがあります。それに「さみだれ」の魔王っぷりが清清しくてカッコ良くて可愛くてたまりません。そりゃ夕日も惚れますわ。
そんなわけでちょっと異色の物語ながら、背骨の部分は中々どうして王道の少年漫画です。いやあ、こういう間の抜けた皮を被ったアツい話は大好き。夕日とさみだれはどうなるのか、そして地球はどうなるのか、最終的にどんな着地を見せてくれるのか非常に楽しみです。