リンガフランカ

 

リンガフランカ (アフタヌーンKC)

リンガフランカ (アフタヌーンKC)

 上でブランカの事書いたらふと思い出したんで。

 お笑い芸人を目指す二人組のお話。2人のギャグの切れプラス「お笑い」を職業とする人たちの人生ドラマがとても良い配合でグッド。

 お笑いをテーマにした漫画では、現役漫才師が原作をやっていたり、もとお笑い出身の人が描いた漫画を読んだ事があるが、正直全然面白くない。漫画と舞台(あるいはTV)、媒体としてどちらが優れている劣っていると言う話ではなくて、漫画には漫画に、漫才には漫才に適したネタがあるという事。にもかからわらずその翻訳作業を怠るため、ギクシャクしたものに仕上がっている事が多い。

 その点この作品はきちんと漫画の「間」で漫才のネタを描いていて、ちゃんと笑えるものに仕上がっている。その一方で「お笑い」を含むショービジネスに生きる主人公達の人間としての歪み具合(壊れ具合)も説得力のある描写で描かれていて、とても良い。
 
 新人みたいですが、かなり実力のある漫画家さんだと思います。1巻完結だし、お笑い好きな人は買っといて損はないかと。オススメです。

  • 余談

 ダウンタウンの松本が「俺は笑いが取れるんだったら親父の死体でカンカン踊りだってやってやる」って言ってたなんて話を聞いたことがある。これはもうエンターテインメントに全てを懸けた狂人の発言ですよ。そこまでの情熱を持った人間ってのは、人として歪んでても(あるいは歪んでいるがゆえに)、かっこいいと思う。