歌詞の件

 久しぶりの更新がこんなんでアレですけど、なんかはてなサポート経由でJASRACから『俺らが著作権を管理してる誠に尊すぎるにも程がある歌詞様を無断転載しているファッキンな貴様のファッキンブログは大変にけしからんのでエイサップマッハで削除しないとトルチョック制裁してやるぜメーン?(意訳)』というメールが飛んできたので歌詞解釈シリーズの全記事を修正しました。コワイ!

 修正後に記事を読み直しましたが、やっぱり読みづらい…わかりづらい…。

 誹謗中傷する内容でもないし、引用箇所も明確にしていたし、利益を得ていたわけでもないのに、ダメ。

 結構人気記事だったのにもったいないけど、誠にやんごとなきJASRAC様のお言葉とあっては伏して従うより他はありません。

 世知辛いですな。

ショック…

 久しぶりの更新が湿っぽい話題ですみません。
 さっき久しぶりにPC立ち上げてニュース見てたら衝撃的なニュースを見つけまして。

→漫画家・佐渡川準さん自殺か

 今週13日に亡くなられていたとの事。全然知りませんでした。

 つらい…。俺この人の漫画が大好きで全部持ってるのに…。「あまねあたためる」もエンジン掛かってきて面白くなってきたのに、続きがもう永遠に読めないなんて…。

 こないだの土田世紀さんもそうだけど、今まで面白い作品を生み出してきて、これからもまだまだ面白い作品を描けるであろう人が、突発的に亡くなられてしまうのは本当に本当に、寂しくて悲しいです。

 ご冥福をお祈りいたします。

 

ミスミソウ 完全版 上下

ミスミソウ 完全版(上) (アクションコミックス)

ミスミソウ 完全版(上) (アクションコミックス)

ミスミソウ 完全版(下) (アクションコミックス)

ミスミソウ 完全版(下) (アクションコミックス)

 
 早い!早いよ完全版!
 
 というわけで旧版から3年も経っていないのに押切ダークサイド漫画の傑作「ミスミソウ」の完全版が出ました。ぶんか社版の発行部数が少なかった&「ハイスコアガール」のヒット効果でしょうね。

 とか何とか言いつつ、「描き下ろしエピソードを収録」との帯の文句にホイホイと乗っかって買ってしまうあたりがもはや信者と言わざるを得ない有様。
 
 で、とりあえず描き下ろし部分だけ読みましたけど、これちょっと微妙ですね…。上巻のエピソードは「春花と妙子のハッピーエンドの可能性を示唆する=逆説的に本編の救いの無さを際立たせる」意味で、良い短編と思いますが、下巻はちょっと余韻が出たくらいで余り変わってなかったのがちょっと残念。まー基本的に富野エンド*1なので後日談が出来ないのも仕方ありませんが。

 あと残念だったのが、旧版にはあった押切先生のあとがきが無かった事。これ、ミスミソウという作品をどのように位置づけるかに役立つ、重要な文章だったのになー。

 というわけでちょっと抜粋。

 ミスミソウはひとつひとつが小さく、目立つ花ではありません。

 そのどれもが様々な個性を持ち、

 必死になって小さな花を咲かせます。

 それらを慈しむ気持ち、人間に向けることを忘れないで欲しいと思い、

 この作品を描きました。



 -ぶんか社版「ミスミソウ」3巻あとがきから抜粋-
 

 との事。

 こうやって作者が明言している通り、この作品って単なる陰惨なだけの物語では無いんですよね。

 もちろん陰惨極まりない、人間の心の醜悪さをこれでもかこれでもかと抉り出している作品である事は間違いはありませんが、本質としては上記あとがきにある通り、その反対側にあるもの、言い換えるなら人と正しく関わり、思いやりあう事の大切さを謳った作品なんだと思います。
 
 という事でその方向でミスミソウをガッツリ解釈した過去記事はこちら。
 
 →ミスミソウ3巻と押切蓮介の描きたかった物の話

 
 では本日は眠いので過去記事に任せて寝るぜ。オヤスミナサーイ。

 

*1:皆殺し的な意味で

アイアムアヒーロー11巻(の表紙)の話

アイアムアヒーロー 11 (ビッグコミックス)

アイアムアヒーロー 11 (ビッグコミックス)

 ものすごーくどうでもいい事なんですけど、この表紙の来栖ってなんかメガテンの敵キャラっぽいですよね。

 超人LV8:チョッパーブリーフ


 みたいな感じで。

 
 本当にどうでもいい話をするとは何事だ。

 

ドリフターズ 3巻

ドリフターズ 3 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 3 (ヤングキングコミックス)

 
 口開く前と後にヒラコーバンザイとつけろ!
 
 ヒラコーバンザイというわけでドリフターズの3巻が発売されましたヒラコーバンザイ。
 
 いやー、1・2巻の時に感想書いてなかったですけど、コレ面白いですよ。まだ読んでない悪い子はナマハゲにシゴウされるレベルで面白い。どっかのブログで「重度の中二病患者が超本気で『ぼくのかんがえたスーパー歴史大戦』を描くとこうなる」とか何とか書いてましたが、まさにその通り。
 
 超カッコいい古今東西の歴史上の武人や偉人達が、超カッコいい台詞と殺陣をこれでもかと撒き散らしながら、超カッコ良く覇道を突き進む様が、一言で言うと超カッコいいのですよブラザー?思わず小二レベルの文章になってしまいますが、それほどまでに痛快な娯楽活劇でございます。で、登場人物はほぼ歴史上の人物達なので、歴史の知識があると尚面白いというナイス極まる構成。

 
 さて、ここからちょっと突っ込んだ話。

 そんでまあ、お話を追っかけるだけでも面白いのですが、前作の『ヘルシング』同様、その行間にするりと作品のテーマを滑り込ませているのがこのセンセーの巧い所。前作ではばっくり言うと化物を通じて「Q.人間って何やねん」「A.意志を持ち選択する者である」という事を描いていたと理解していますが、今作では「Q.人は何のために生きるか」という事を描いているような気がします。3巻までを読む限り。
 
 豊久はいくさのために生きている。
 信長は天下統一のために生きている。
 与一は戦いながら、自分の居場所を見つけるために生きている。
 安倍清明廃棄物エンズを倒し、この世界を存続させるために生きている。
 エルフは弓を番え、ドワーフは鉄を打ち、彼らの尊厳を取り戻すために生きている。
 
  しかし敵は違う。廃棄物エンズは、世界を憎んで憎んで憎みきり、世界を滅ぼすために生きている。安倍清明が「世界廃滅の統一意志がある」と指摘した通り、彼らの指向性は綺麗に揃っています*1
 
 んで、この辺が漂流者ドリフ廃棄物エンズ分水嶺なんじゃないでしょうか。これはヘルシングのテーマともダブりますが、どのような状況下にあっても「己の意志を失わず」「己のなすべき事を見つけ」「それを完遂する努力を惜しまない」事が出来る人達=ドリフ達を主人公側に持って来ているのは、決して物語の作りやすさだけの為ではなく、先ほどの「Q.人は何のために生きるか」という問い*2に対する、そのままヒラコー先生のアンサーだと感じます。
 
 それはもう、漂流者は「者」、廃棄物は「物」と呼称している事からもわかる通り。
 
 そんなわけで、漫画としての面白さもテーマも実に素晴らしい出来でヒラコーバンザイ。
 
 あとは刊行ペースがもう少し早ければヒラコーバンザイ。
 
 
 いやマジで。

 

  • 余談

 そういう意味では、廃棄物の登場人物でも、憎しみ以外の感情が芽生えた場合は漂流者にクラスチェンジするかも知れません。うわ何ソレすげえ燃える。
 個人的には鬼の副長土方さんが好きなので、あの人が漂流者側に行かないかなー、なんて思ったり。でも信長とソリが合わなそう。

 

*1:黒王には人間の世界を壊し怪物の王国を作る、という目的があるようですが

*2:言い換えるなら物語のテーマ

よつばと! 12巻

 「きょうはなにしてあそぶ?」
 

よつばと! 12 (電撃コミックス)

よつばと! 12 (電撃コミックス)

 毎巻面白いけど、12巻は特に来た。キャンプの話がもうたまらなく良い出来。

 アウトドアのあの開放的な感じとか、子供達の無邪気さとか、大人たちの楽しみ方とか、夜〜夜明けの清冽な空気とか、色んなものを完璧に描ききった上で、あのラストシーンですよ。

 「きょうはなにしてあそぶ?」

 わけもわからないまま泣いたのは、きっと俺だけじゃないはずだ*1


 

*1:細かく言うなら「自分にもあの頃はあった」という悲しさと「子供(よつば)のこういう時代もすぐに過ぎてしまう」という寂しさと「この瞬間は永遠である」という喜び、それらがない交ぜになって泣くわけですが、いいんだよ、細けえ事は!

ポロロッコと小さな恋のはなし

 ついこの間「ありがとう」という短編集の感想を書いたyum先生の新刊が出てましたので早速購入。こちらはネット(ニコニコ静画)で連載していたもののようです。
 
 お話としては、おしゃべりな恋愛の妖精「ポロロッコ」と、内気な少女「沙夜子」の出会いと別れ、そして沙夜子の恋の物語。

 先日読んだ「ありがとう」同様、胸にじわりと来る良いお話でした。お話自体はベタですが、見せ方が巧いのと、読者の期待を裏切らないのが実に素晴らしい。この手のベタ話は、セリフのテンポとか絵の雰囲気と言った見せ方次第で、退屈な作品にも良作にも化けるものですが、そのあたりの匙加減がこの作者さんは上手です。グッジョブ。

 「沙夜子編」との事なので、もしかして続編もあるんでしょうか。作者さんもあとがきで「もし2巻が出たら…」なんて嬉しい事言ってくれちゃってますし。

 続刊希望!

→過去記事「ありがとう」感想

  • 余談

 ここから先はスーパーネタバレタイム。未読の人は回れ右の事ヨ?

 さて、交差点で会う沙夜子の想い人の話です。クライマックスのシーンで、飴を舐めたのに彼の言葉がいつもと変わらなかった、というのがまた良い演出。

 だって「飴を舐めている間は周りの人が沙夜子を好きになる」=「それでも彼の言葉が『いつも』と同じ」=「元々彼は沙夜子が好き」って事じゃないですかッッ!!
 あ、甘酸っぺえッ!甘酸っぱいぞこいつら!こいつらに今週の甘酸っぱい大賞を与えてやりたいんですが構いませんねッ!?
 それにですよ?気付いている人もいるかも知れませんが、あの時沙夜子は飴をくわえているので、自分から挨拶をしていないんですよ?いつもの朝は沙夜子が挨拶をして、彼が小さな声で挨拶を返すのに、あの時は飴の影響で「彼が自分から挨拶をしてきてる」んです。つまり、思うに沙夜子も彼もかなりの引っ込み思案で、そのくらい小さな変化を起こすのに、大きな気持ちの揺らぎが必要って事なんじゃないでしょうか。

 いやー、悶えるわー。コレ悶えるわー。

 小さな恋の話、とくと堪能させていただきました。