本棚でも晒してみようか パート3

 初めての人は「はじめまして」
 以前読んだ人は「お久しぶりです。またやるよ」
 
 ということで本日は、約3年ぶり3度目の「本棚でも晒してみようか」です。
 
 ちなみに過去記事はこちら。

→本棚でも晒してみようか パート1(2007年9月時点)

→本棚でも晒してみようか パート2(2009年11月時点)

 
 思えば、この記事を書いた時に既に新しい本棚は買っていたのですが、この記事からしてすでに2年半前。その間に引越しをしたので、また様相が変わってしまいました。後で説明しますが、本当はもっとカッチョ良い本棚だったんですけどね…。

 まーグダグダ言っても詮無き事。ではゴー。


 こちらが居間の本棚。

 棚の上がゴチャゴチャなのは、子供の手の届かない所に物をどんどん上げているため。扉にチャイルドロック掛かっているのもイタズラ防止の為です。
 

 ハッチフルオープン状態。このガンダム本棚、君には作れまい*1

 この本棚、実は「上置き棚と合わせて天井いっぱいまで本棚になる=壁一面が本棚になる」という、本好きにとって至福極まりない仕様なのですが、今住んでいる部屋では梁が邪魔して上置き棚は置けず。仕方なく上置き棚は別部屋に置いてあります。

 あと、この本棚で素晴らしいのはその奥行き。45cmあるので、なんと漫画が3列入ってしまいます。普通の本棚は30cmですので、以前紹介した3列目面陳の3重置きしか出来ませんが、コレなら安心の格納力。普通の同高さ同幅の本棚の、1.5倍くらいは入ります。

 ちなみに居間にあるのは一軍+これから読もうかな棚です。また、一つ空いていない扉は相方の仕事の本が詰まっていますので非公開。なまねこなまねこ。
 

 では次に本部屋の一番奥の列。

 左側にあるのは以前も使っていた合板の本棚。ホームセンターに良く売ってる180×90×30cmの本棚です。コレを計4本使ってます。

 
 さらに本部屋の真ん中列。

 ここにあるのが1年前くらいに買った新入り君、スチール棚です。木の本棚はヘタって来るので、スチール棚を買って見ました。180×90×45cmなので、かなり入ります。棚板が少ない+若干本が入れにくいのがネックですが、頑丈さは折り紙付き。地震対策としてスチール棚2つを連結し、更に突っ張り棒を使っています。

 
 最後に本部屋の入り口側列

 ここには居間の本棚の上置き棚を仕方なく床置きしています。本当はコレが居間の本棚と合体して完全体になります。前の部屋ではそうやって使ってたので、次に引っ越す時は出来れば完全体で使いたいね…。

 
 とまあ、今ウチの本棚状況はこんな感じになっておりまして、ブログは休みがちでしたが、このように相変わらずの漫画ライフを送っております。以前ほどのペースでは更新出来ませんが、またちょっとずつ更新しますので、また覗いてやってくださいまし。
 
 ではでは。


  • 余談

 さて、この居間にある本棚が本当にスグレモノなので、本が好きで好きで堪らない(と思われる)皆様へご紹介。
 本棚、というか本来はこちらのは壁面収納のシリーズ家具でして、棚はもちろん、机、テレビボード、ガラス扉、引き出しなど、色々な形態や色や巾が選べるというもの。更に上置きの高さをオーダー出来るので、天井までビッチリ、壁面にバッチリはまると言うハラショー過ぎる家具なのです。
 全体的にガッチリした作りなので(おそらく)長持ちするでしょうし、連結式なので必要に応じてバラす事も継ぎ足す事も出来ます。宝くじが当たったらデカい家を買って本部屋のぐるりをコイツで囲んでやろうか、なんて妄想も浮かんでくる憎い奴。

 ネックなのはちょっとお高い、という事くらいですかね…。ウチのは全部で30万円くらい掛かってます。いつか良い本棚を買ってやろう買ってやろう、と思っていましたが、結婚を機に買ってしまいました。

 ちなみにメーカー+品名は「すえ木工」のMGシリーズ。自分はファニチャードームで買いました。

→メーカーHP

 HP見てるだけでため息が出るほどの素晴らしさ。20畳くらいの部屋の壁面にコイツを並べて漫画をいっぱいいっぱいに詰めたら、たぶんご飯10杯はいけるわ…。


 

*1:「このガンダム、君には作れまい」が何かわからない人はモデラーのお父さんに聞いてみよう!

おおかみこどもの雨と雪


 ちょいネタバレ含みます。未見の方はご注意。

おおかみこどもの雨と雪 BD(本編1枚+特典ディスク1枚) [Blu-ray]

おおかみこどもの雨と雪 BD(本編1枚+特典ディスク1枚) [Blu-ray]

 CMで面白そうだなー、と思っていて、BD出たんで購入。予備知識なしで見ました。

 元々「時をかける少女」が好きで、以前のTV放映で「サマーウォーズ」も見て面白かったので、細田節に期待して見たんですが、期待通りの出来で満足でした。

 前2作のようなドラマティックな展開は無いんですが、花という母親の成長と雨と雪というおおかみこどもたちの成長の物語を、全体に流れる音楽や美麗な映像や雰囲気が優しく包み込んでいて、とても沁みる良き映画でした。
 
 私も一緒に観た相方も、子供が二人いるんだからどっちかが狼を選んでどっちかが人間を選ぶんだろう、という予想を立てていまして、それはやはり予想通り。で、実は私としては、ラストで狼になった方の子は崖の上で一吠えするであろう、という予想もしていまして、それも当たりでした。『人を捨て獣と成る物語』と来れば、是非とも別れ際に「山月記」的なシーンがあって欲しい、という希望も込みでの予想でしたが。
 
 で、ブックレットの冒頭文でもあった通り、この映画は単なる異形を扱ったファンタジーではなく、主軸はあくまでも『親の成長』『子の成長』を描いた物語だと感じました。もちろん、そう感じた事は近年私自身が親になった事も無関係ではないかと。

 当たり前の事ですが、親は子が生まれた瞬間に親として完成するわけではなく、段々と「親に成っていく」のです。また子も同様に、いつまでも乳飲み子ではありません。いつの間にか一人で立ち、駆け回り、話し、揺れ、傷つき、決意する、「大人」へと成っていきます。
 
 そういう意味で、映画としてはかなり花の視点に寄った形で雨と雪を見ていたため、二人それぞれの「大人への脱皮」のシーンが、寂しいやら嬉しいやら頼もしいやらで、もう沁みる事沁みる事。
 
 親世代である「おおかみおとこ」と「花」は、親を亡くす事で、強制的に親離れをせざるを得ませんでした。しかし、「花」はそうではありません。彼女自身のわがままで、子世代である雨と雪をこの時点で親離れさせないようにする事も出来たでしょう。

 それでも、彼女はそうしませんでした。雨に「行かないで」と泣きつく事も、雪について町に下りてゆく事もしませんでした。それは、彼女が13年の家族としての生活の中で「親に成る事」が出来たからだと思います*1
 
 そうして送り出された雨と雪は、いつの日か親と成り、花と同じ気持ちで、真っ直ぐ子供の背中を見送る事が出来るでしょう。

 

 きっとその子が、

 人間だろうと、おおかみだろうと。



 

‐余談‐

 ちなみに特典フィルムは

 

 花さんの「事後」でした。うむ。
 
 そういえばエヴァ新劇場版のDVD特典フィルムでもベッドの上の裸シンジ君だったなー。何故か裸フィルムの引きが強い僕の右手に誰か名前をつけてくれ。中二的な。

 


 

*1:そういう意味で、韮崎のじいさんの畑に対する「(やる事をやったら)何もするな。放っとけ」という台詞も、この映画の根底に流れる「成長を見守る者」の示唆として使われていると思います

血界戦線 1〜6巻

血界戦線 魔封街結社 (ジャンプコミックス)

血界戦線 魔封街結社 (ジャンプコミックス)

血界戦線 6 ─人狼大作戦─ (ジャンプコミックス)

血界戦線 6 ─人狼大作戦─ (ジャンプコミックス)

 不思議です。
 
 漫画ブログ界隈とか『このマンガがすごい!』等のコミックランキング的な所で、このスタイリッシュかつコミカルかつハードボイルドかつエキサイティングな素晴らしき漫画があまり話題に上らないという事が、自分は不思議でたまらんのです。
 
 まず絵がサイコーだ。『トライガン』の内藤先生なのだからその辺は折り紙付きなのは言うまでも無いが、『トライガンマキシマム』の頃よりも絵が巧く整理されていて、画面で何が行われれているかわからない、という事が格段に減っています。
 
 無論ストーリーもサイコーだ。人ならざる者が跋扈する混沌の街『ヘルサレムズ・ロット』において、世界の均衡を保つため暗躍する秘密結社「ライブラ」のメンバーが織り成す戦いと人情と騒乱の日々を描いた物語、というだけでもうワクワクしてたまりません。なおかつ中篇を繰り返し、単行本の中で必ず1回は物語の山場がある形を取りつつ、そのうえで登場人物の背景や性格を掘り下げていくという方法論は、この世界観で展開される物語として最早「正解」以外の何物でもありません。
 
 そして人物がサイコーだ。様々な特殊能力を持つライブラのメンバー全員が、一癖も二癖もありながら、絶対にギリギリの部分では「人道」とか「仁義」を弁えた人間であるのがたまらない。そういった人間達が悪や不条理をぶっ飛ばして行く様、というのは古来より連綿と続く「ヒーロー物」の正道・王道であり、この漫画もまたそれにキッチリ則って作られています。それがいい。
 
 おまけにコメディもサイコーだ。『トライガン』で培われた軽妙洒脱でセンスの良いコメディ描写は、上記のような物語を重過ぎず読ませるのに丁度良いスパイスとして、物語の適所に適量にまぶされている。これで美味くないわけがない。
 
 あー、もう褒めちぎるばかりで内容にあまり触れてませんね。

 えーと、それじゃあ…

 迷わず読めよ、読めばわかるさ!

 …という事で一つ。どっとはらい

 
 

第三世界の長井 1・2巻

第三世界の長井 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

第三世界の長井 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

第三世界の長井 2 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

第三世界の長井 2 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

 
 ギャグ漫画界で唯一無二の鬼才、ながいけん先生の新作。ゲッサンに載ってるというのは聞いていましたが、ようやくの単行本発売です。

 内容的にはいつものながい式ギャグ漫画で楽しく読めるですが、ちょっと哲学的というか小難しいカラクリがありそうで深読みもできそうな作品。なんですかね。相原コージ先生もそうでしたが、ギャグ漫画家ってのはギャグを考えすぎると1周回って「面白さの仕組み」「ズレの仕組み」みたいな所に踏み込んじゃうんでしょうか。

 まあ自分は色々考え出すとやめられない止まらないタイプなので、今作は上っ面だけ流して笑うだけにしておきましょう。
 
 とりあえず丁度「はだしのゲン」を読了後だったので「ゆたかな大地になる男」ネタで盛大に吹いた。反則だろアレ。

 

超人学園 10巻

超人学園(10)<完> (講談社コミックス)

超人学園(10)<完> (講談社コミックス)

 超人と人間を巡る熱い物語、最終巻です。

 んー、前半は面白かったんですけど、途中からよくわからなくなってしまいましたね…。自分の読み込みと理解力が足りないんでしょうか。ただ、何となくですが、途中から登場人物を増やしすぎ+関係を複雑にしすぎのような気がします。
 
 とか何とか言って、それなりに面白く読めてしまう勢いのある漫画でした。初連載がコレなら、今後に期待ができようというもの。

 次回作待ってるぜえ。

 

ありがとう

ありがとう

ありがとう

 タイトル、装丁、帯の藤島康介先生の言葉から「ははあ、コイツは泣かせる系の漫画だな?俺を泣かせられるものなら泣かせて見やがれ!」と思って買って読んでウエエエン。

 はい、これが天丼だよ!みんな覚えたかな?(by空想科学X)
 
 こちらはpixivやニコ動なんかで作品を発表しているという、yum先生の短編集。この作者さんは知りませんでしたが、結果から言うと大当たりで満足。
 
 特に一番最初の「言えなかった言葉」と一番最後の「森の中のジャジャ」が出色の出来です。
 「言えなかった言葉」の方は、ある程度の年齢の人の多くが感じた事のあるであろう、先に結婚する親友に対するモヤモヤをとても上手に描いて、なおかつ素晴らしいハッピーエンドに仕上げています。
 「森の中のジャジャ」はツイッターにハマった森の中の怪物と少年の交流を描いた作品。これなんかもう、途中からオチが読めるのよ。絶対にこうなるなー、こうなるなー、と思った通りにスジが進んでいくのに、既に泣かされてるんだもの。出来ておる喃。
 
 いやー、これは良い漫画を馳走になりました。

 今後もWeb連載を単行本化していく企画があるようで楽しみ楽しみ。

 

大好きが虫はタダシくんの

 チャンピオンで一風変わった日常系漫画「空が灰色だから」を連載している阿部共実先生による短編集。

 初っ端の2作品「乙女心」「ドラゴンスワロウ」の女子高生二人の掛け合い漫才的な所は面白く読めるのですが、それ以降は期待を裏切らない(?)もんにゃりした気分にさせてくれる短編が続きます。
 
 チャンピオンの惹句では“心がざわつく”なんて書き方をされている、この知らない内に腹の底に異物をねじ込まれた感覚は、表題作でもある最後の短編「大好きが虫はタダシくんの」で最高潮に。
 あらすじの触りだけ書くと、何か(多分いじめ)が原因ですっかりオツムがぶっ壊れてしまった女子高生と、その元親友のお話。結末はネタバレになるので言わないが、いやー……これきっついわー。

 思うに、この人の作品の「ざわ…ざわ…」感ってのはコミュニケーション不全の気持ち悪さじゃないんでしょうかね。自分が思っている事と他人が思っている事は違うし、境遇も違う。それでも人と人がある程度コミュニケーションを取れるのは、相手の意図を理解しようとする意志があるから。でもそれもなくなった場合、相手のおかしな言動や行動に人は「ツッコミ」を入れる事も出来ず、ただ気味の悪さ・後味の悪さだけが残る。丁度この短編集の中の「あつい冬」のように。

 ともあれ、「空が灰色だから」をざわざわしながらもつい読んでしまう御仁にはオススメの短編集。レッツざわざわ!