血界戦線 1〜6巻

血界戦線 魔封街結社 (ジャンプコミックス)

血界戦線 魔封街結社 (ジャンプコミックス)

血界戦線 6 ─人狼大作戦─ (ジャンプコミックス)

血界戦線 6 ─人狼大作戦─ (ジャンプコミックス)

 不思議です。
 
 漫画ブログ界隈とか『このマンガがすごい!』等のコミックランキング的な所で、このスタイリッシュかつコミカルかつハードボイルドかつエキサイティングな素晴らしき漫画があまり話題に上らないという事が、自分は不思議でたまらんのです。
 
 まず絵がサイコーだ。『トライガン』の内藤先生なのだからその辺は折り紙付きなのは言うまでも無いが、『トライガンマキシマム』の頃よりも絵が巧く整理されていて、画面で何が行われれているかわからない、という事が格段に減っています。
 
 無論ストーリーもサイコーだ。人ならざる者が跋扈する混沌の街『ヘルサレムズ・ロット』において、世界の均衡を保つため暗躍する秘密結社「ライブラ」のメンバーが織り成す戦いと人情と騒乱の日々を描いた物語、というだけでもうワクワクしてたまりません。なおかつ中篇を繰り返し、単行本の中で必ず1回は物語の山場がある形を取りつつ、そのうえで登場人物の背景や性格を掘り下げていくという方法論は、この世界観で展開される物語として最早「正解」以外の何物でもありません。
 
 そして人物がサイコーだ。様々な特殊能力を持つライブラのメンバー全員が、一癖も二癖もありながら、絶対にギリギリの部分では「人道」とか「仁義」を弁えた人間であるのがたまらない。そういった人間達が悪や不条理をぶっ飛ばして行く様、というのは古来より連綿と続く「ヒーロー物」の正道・王道であり、この漫画もまたそれにキッチリ則って作られています。それがいい。
 
 おまけにコメディもサイコーだ。『トライガン』で培われた軽妙洒脱でセンスの良いコメディ描写は、上記のような物語を重過ぎず読ませるのに丁度良いスパイスとして、物語の適所に適量にまぶされている。これで美味くないわけがない。
 
 あー、もう褒めちぎるばかりで内容にあまり触れてませんね。

 えーと、それじゃあ…

 迷わず読めよ、読めばわかるさ!

 …という事で一つ。どっとはらい