武装錬金ファイナル
読みましたよ赤マルジャンプ。
武装錬金ファイナル。
まあ、あちこちのサイトとか掲示板で散々書かれているでしょうが…
あえて言おう、カスであると!
あーもちろん内容のことじゃなくてジャンプのやり口の事ね。
内容は面白かったッスよー今まで待たされてたのもあってさー。
しかしだ!
今回で終わる覚悟完了で臨んだのに冬の赤マルに続くとはどういうことだ?「ファイナルってのはファイナルファンタジーと同じで最終形・究極のって意味さ」とでも言うつもりか?じゃあピリオドの意味知ってんだろうなお前ら!
つーか今回の赤マルの売れ具合とアンケート集計見て、以前のバスタードみたいに季刊ジャンプの客寄せパンダにする気マンマンじゃねえか。しかも近々に増刊で読み切り書かせて評判良ければ武装を切ってソッチで本誌連載させようってえハラですか*1?二段構えですか?俺って偉いねえーとか思ってるンですか?
お ふ ざ け で な い
お前らは打ち切った!打ち切ったんだ!だったら何故打ち切ったままにするか、完結編を書かせるなら作者の納得いく形で書かせてやらないんだ(まあ可能性としては和月自身が頁が足りないので2回に分けてくれ、と言った可能性もあるが)。
もう週刊ジャンプはアニメ・トレカ・ゲーム化の魔力に取り憑かれてにっちもさっちも行かなくなってるんだろうか…。連載して人気出たらアニメ化してグッズ出してゲーム出して連載を延ばせるだけ延ばして…ってパターン。逆に人気出なかったら(アンケート悪かったら)、どれだけ一部で人気あっても打ち切り(コミックスは結構売れてるらしいので)。
ねえ、それって本当に良い漫画家が育つ環境なの?
ドラゴンボールとかスラムダンクは作者の技量であのレベルまで持ってったけど、新人で急に人気が出た人とか、そのやり方で育つの?ワンピースもBLEACHもナルトもアニメ化したはいいけど、だいぶ「歪んで」来てるよ?
俺達漫画読みは面白い漫画が読みたいんだ。ただそれだけなのに何故漫画を作ってる人間がそれをわかってくれない。それとも面白い漫画とは何ぞやという事すらわからなくなったからアンケートに縋っているのか?赤マルに載ってる新人の漫画も(以前に比べて)目を惹くのが無くなってきたしな(単に新人のレベルが落ちてるのか、新人が他誌に流れているか、編集のセンスが無いか)。
週刊ジャンプの編集には、早急に「編集王」と自分の一番好きな漫画をもう一回読んでほしい。
愛が足りねえよ。漫画への愛が。
武装錬金に関しては仕方ないので冬まで待ち。綺麗に締めくくる事を期待してます。
- 余談
他誌で続編やって欲しいのが正直な所だけど、あそこまでストーリー持って行っては終わらせるしかないよなあ。
るろうに剣心は惜しい所までいってたけど単行本買うほどじゃなかったし、ガンズ・ブレイズ・ウエストは試行錯誤の跡が見られるものの打ち切りの匂いしてたし…。でも武装錬金は2巻のパピヨン脱皮(クロス・アウツ!)の場面で文字通り和月自身も一皮むけたと思う。
それは奇形*2による人間性の表現だ。和月が好きだとされるアメコミのヒーローも、デビルマンも、手塚作品の主人公の多くも、ミュータント・クモに噛まれて特異体質・悪魔人間・鼻でか人間・つぎはぎ人間・少年型ロボット・三つ目人など、通常の人間とは似て非なるもの−乱暴に括ってしまえば「奇形」だ。
そしてそういった奇形(言い換えるなら人ならざる人)が人の道を示す事により、逆説的に我々も人たらんとする。それがヒーロー物の背骨であると僕は思う(実例でわかりやすく言うならターミネーター2のラスト。サラ・コナーが「未来はまだ闇に包まれています。だけど少しだけ希望が出てきました。マシンに命の尊さが分かるのなら…我々人間に出来ないはずはありません」と言う場面)。
話を武装錬金に戻すと、2巻のその時点で「武器を持った人間カズキVS奇形パピヨン」という図式が成立した。その後を見れば分る通りパピヨンは哀しき悪役で、覚醒から決着までの3話の間で和月はカズキよりもパピヨンに焦点を置いて話を進めていく。「嗚呼―俺の名前……」「謝るなよ偽善者」のくだりで奇形による語りは(一旦)終わる(名場面)。
そして次のフェイズ。実際はその時点でもカズキも核鉄によって命を永らえている奇形な訳だが、どうにも分かりにくい。そこでカズキのヴィクター化と相成るわけだが、最初からこの展開を考えて核鉄で生き返らせていたなら和月はヒーロー物を書く資質を十二分に備えていたと言える。そしてめでたく(?)「奇形カズキVS奇形ヴィクター」「奇形カズキVS奇形パピヨン」の図式が成り立った。
ヒーローでありながら存在するだけで死を呼ぶ化物、つまり皆を守る存在でありながら皆を傷つける存在になってしまったカズキは「諦めない」と言った。これは自分の命はもちろん、パピヨンも、ヴィクターでさえもその命を諦めないと言う立ち位置だ。「誰かの幸せは誰かの犠牲の上に成り立っている」そんな事は聞き飽きた。大事な所は誰かの犠牲の上に「しか」成り立たないのか?と言う事であり、「諦めない」という意思だ。それを真っ直ぐ言ってくれたカズキ(和月)には素直に拍手を贈りたい。
後は、パピヨンとヴィクターという奇形たちが最終回で何を語ってくれるか。
冬の赤マルはヒーロー好き必見です。