武装錬金ピリオド

 武装錬金、今度はホントに最終回。
 待ちに待った冬の赤丸ジャンプを早速買ってきましたよ。(一部で)これだけ盛り上がってるし、ジャンプ的にも赤丸の目玉として大プッシュでしょ、と思ったら表紙のメイン「銀魂」に取られてるし。悲しいけど、これって打ち切りなのよね。

 
 では感想。ネタバレ含むんで未読の人、特に武装錬金ファンで未読の人が万が一いたら断固として回れ右。結末は自分の目で確かめろ。


・全体的にバトルシーンは少なめ。ヴィクターとカズキのバトルも無し。構成的には前回(ファイナル)がクライマックスで、今回は後日談というか軟着陸といった感じ。パピヨンとカズキの決戦もやけにあっさりしてたし。やっぱページ数の都合か。


・物語の終結まで描かれているがやっぱり駆け足で終わった感じは否めない。つくづくじっくり描いて欲しかったなあ。


斗貴子VSパピヨンのくだりが良。
「決着をつけに来た。パピヨン。カズキの代わりに――」
「…代わりなどいない。貴様にはいるのか。武藤カズキの代わりが」
そこにいる二人ともがカズキを求めながら、カズキが望むとは思えない戦いを始める。切ない。


・バスターバロンってホント何でもアリな。元々そういう使い勝手の為に作られたようなものなのか?まあ燃えるから良いんですが。


・毒島の武装錬金と火渡の武装錬金って相性いいなあ。酸素生成+火炎だもん。


・戦いを止めたヴィクターの心中をもっと描いて欲しかったなあ。ヴィクターが錬金戦団を敵視していたのは「妻子の復讐+錬金術を悲しみを生み出す力として見ていたから」で、カズキの中に力が正しく使われる事への希望を見たから、と言った所だろうけど。ちょっと判りにくい。


・宇宙空間でカズキと斗貴子が抱擁するシーン。「斗貴子顔出して大丈夫なの?」とか「なんでヴィクター化から戻ってるの?」とかいう奴は一歩前へ。アレは二人の魂の抱擁だからいいんだよ。つーかあそこでカズキと斗貴子の笑顔なくして「武装錬金」が「武装錬金」たりえるか。


・「先輩に笑顔が戻るなら―」って言ってたゴウタ、先輩の笑顔を見る。切ねえ。いや、お前はいい男だよゴウタ。ドンマイ。


・やっぱパピヨンも殺さなかったなカズキ。結局カズキは誰の命も諦めなかった(一時はヴィクターと自分の命は諦めかけたけど)。
 カズキの武装錬金が放つ光、サンライトイエローは太陽の色。また、遥か昔から月=死の暗示で、逆に太陽=生命の暗示だ。死に至る病が絶望なら、生に至る力は希望。一時は絶望(=死)の世界である月に行ったものの、太陽のエネルギー(サンライトハートの光=カズキの魂=希望)がヴィクターの心を変え、二人は生の世界へ戻っていく。このまっすぐさと熱さ。まさに王道的少年漫画。ブラボー、おおブラボー。


ホムンクルスを連れて月に行くってアナタ、空気とか食べ物とかどうするんですか?それともその辺は突っ込んじゃ駄目なの?


・浮かれてるムーンフェイスが良。そりゃ大好きな月に住めるんだもんなあ。


・ヴィクター、ホムンクルスになってもフンドシのままでちょっと面白い。あれは趣味だったのか…。後ろでハート目になってる花房も芸コマ。


・わーいロッテリやのお姉さんだー…って何そのフィギュア!蝶欲しい!


・そしてハッピーエンド。やっぱこの漫画はハッピーエンド以外ありえない。素晴らしい。


・奥付見たら最終巻に特別読切りですって奥様。一人二億冊買いだな。…ってこないだのエンバーミングのかな?武装錬金の読み切りが読みたいなあ。


・ところでトビラ絵の斗貴子さん。やっぱ胸ねーなー。だがそれがいい(オイ)


 と言うわけで終わってしまいました。武装錬金。いやー打ち切りの憂き目に遭いながらも良くここまでまとめてくれました。るろうにの時は今いちだったけど(いらん事言うな)、この漫画はホント面白かったです。この作品に出会うまで和月がこれほど地力のある漫画家とは正直思っていませんでした。
 次回作に蝶期待。お疲れ様でした。