スキーのニュースいっこ


<遭難>「冬山甘く見ていた」…救助の7人、安堵と反省


 恐羅漢スキー場の遭難者、無事に見つかったとの事。

 記事を読むと当初は雪山をなめてかかって遭難したが、遭難後は小屋で火を起こしたりのろしをあげたりして生きる努力をしていた様子。原因の事を別にすれば、「岳」の三歩ならずとも『良く頑張った』という言葉が口をついて出る。


 雪が降り続く山中で遭難者達の不安はどれほどのものだったろうか。息子達がいるであろう雪山を見つめる家族らの焦燥はどれほどのものだったろうか。


 それを想像し、そして彼らが無事に帰ってきた事を考えると、「ああ、良かった。良かったねえ」と心から言える。


 しかし、これは美談でもなければ目を潤ませて消費する物語でもない。


 この話から「一番怖いものは“慣れ”だ」という一点を読み取れないようでは、いずれ何らかの「難」に遭う事は間違いない。逆に言えばそれこそがこのニュースから読み取るべき事だと思う。


 確かにTVのワイドショーは下らないと思うが、その向こう側には体温のある本物の人間が息づいている事をきちんと考えた時、そこからはもっとたくさんの事を学べるはずだ。



「テレビに嘘も本当もねえんだ!テレビの前ではな、全部テレビなんだよ!!」
 多重人格探偵サイコ (1) (角川コミックス・エース)
 この漫画で印象的だった、やらせをやろうとしたTVプロデューサーの台詞。実に巧い事を言う。間違ってるけど。