中央モノローグ線
- 作者: 小坂俊史
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2009/10/17
- メディア: コミック
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小坂俊史先生のもう一つの側面、沁みる青春物の新作。小坂先生の凄い所は「せんせいになれません」とか「ハルコビヨリ」ではそういう所をおくびにも出さずに、完全に作風を切り分けている所。はじめて「ふたりごと自由帳」を読んだ時のショックとニヤニヤ感は今でも忘れられません。
さて、こちらは中央線沿線に住む8人の女性のモノローグを軸に、彼女達の生活とか悩みとか小さな喜びとかを描き出した4コマ漫画。ちょっと前に出たので完全に他ブログさんの後追いになってしまいましたが、面白い漫画は積極的に広めたいので相変わらずそんなの関係ねえので御座いますよ。
登場する8人の女性たちは職業も性格もバラバラで、それぞれの想いを抱えて日々を過ごしているのですが、その想いの描き出し方がまた巧い。「ふたりごと自由帳」と同質の、なんでもない人達のしんみり切なく少し暖かい物語群が4コマというテンポ良い構成で綴られていて、期待通りの素晴らしい出来でした。これはいいものだ。
ただ、これから読む人に一つ注意。この作品、自分の好きな食べ物に例えるなら栗きんとんとかたこわさみたいなものなんですよ。つまり味は大好きだけどバクバク食べるものじゃない、という意味において。
自分はあまりの良さについパクついて最初から最後まで一気読みしてしまいましたが、これはおそらく枕元において少しずつ少しずつ読んだ方が「味がわかる」作品です。
残念ながら1巻完結ですけれど、小坂先生にはこの手の作品もっと描いて欲しいなあ。
- おまけ
中央線といえばコレ。間奏のギターのメロディラインが良い。
ディープなBOOMファンにはこちら。いつまで経ってもアルバムに入らないのでシングルを未だに持ってます。
言うまでも無くこちらの電車も中央線です。
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