ロボット残党兵 2巻
「三船よう…私たちは間違っていないよな…」
- 作者: 横尾公敏
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2009/08/20
- メディア: コミック
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あら、1巻読んだ時感想書いて無かったですねコレ。
内容は第二次世界大戦を舞台にした仮想戦記物で、日本軍が「日の丸人」という機械化兵を造って諸国と戦っていたら、というお話。主人公は護国の為に脳以外全て機械の体になった男「三船」。物語は彼の戦いを中心に、その周辺として軍や組織の陰謀をからめつつ進行していきます。
見所は、荒々しく迫力ある筆致で描かれた各国の機械化兵同士の闘いと、その裏側にある戦争という非日常の凄絶さと悲哀。主人公の三船を筆頭として元人間の彼らは生身の脳が入っているが故に、人間らしく悩んだり激昂したりする様子が物語に深みを与えています。
二次大戦の仮想戦記、というだけでも大好物なのに、その上オイルと鉄の臭いがプンプンするロボットが暴れまわると来ては、オジサンもう辛抱たまりません。
ロボットバトルアクションとしてのエンターテイメイト性と、亜人間(ロボット)を用いて『人間らしさとは何か?』を描き出すというテーマ性を巧いバランスで融合させた良作です。これはいい。
あと女子が何気に可愛いのもポイントです。優子ちゃんかわいいよ優子ちゃん。はい。
個人的に2巻でのハイライトは、女子挺身隊のテントを出た三船が煙草を吸うシーン。やりきれなさの余り漏れる三船の独白と紫煙が、日本から遠く離れた南の島の宵闇に溶けていく様子が、あまりにも寂しくて哀しくて、思わず落涙。
しかもその直後の話で、まだ五体満足の人間だった三船が妻子と一緒に暮らしていた頃のシーンを描いて、ここと対比させてるのが巧いです。そう、あの頃はまだ、煙草の煙は祖国の青空に向かって昇っていて、隣には愛すべき妻と娘の笑顔が在ったのに…。ああ、また泣けてきた。
作者は新人さんとの事ですが、とてもそうは思えない技量。仮想戦記、機械化兵、秘密警察の陰謀、ハルビン、秘密兵器、異形の悲哀…そんなキーワードにホイホイ引っ掛かってしまう御仁にはグリグリの二重丸でオススメの作品です。是非!
- 余談
そういや1巻の表紙、というか日の丸人のデザインアイデア元って、やっぱり筋肉少女隊のジャケットからでしょうか。
- 作者: 横尾公敏
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2008/10/20
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- アーティスト: 筋肉少女帯
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 2009/09/16
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しかし日の丸人(特に三船のタイプ)ってデザインスゲー良いですよね。シンプルで無骨で鉄臭くて。死蔵されてるリボルテック改造して1体製造しようかなあ。