リンケージ
- 作者: 倉田嘘
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/06/18
- メディア: コミック
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表紙買いの百合物短編集。
著者初単行本との事ですが、そうは思えないほど良い出来でした。素直に面白かったです。
キャラ立ちは若干薄めですが、それを補って余りあるシチュエーション仕立ての巧さがあるように感じました。
それでは各エピソードざらっと感想を。
<以下少々ネタバレ含むため注意>
「鎖はもういらない」…仕事の出来る先輩眼鏡OLと、可愛い系の後輩のお話。すれ違いと誤解、そして二人は…。いやーもうベタですねえ。だがそれがいい。ちなみに眼鏡OLさんは斜め分けのおで娘ちゃんだったら、尚良かったと思います*1。
「キコエルスズノネ」…音楽学校を舞台にした、地味なソバカス娘と天真爛漫な美人のお話。美人さんの方が色々意外な面があって可愛い。直球投手なのもイイ感じです。
「プレゼント」…盲目の娘と外見がちょっと怖い系の女の子のお話。外見にコンプレックスを持っている女の子が、この恋を通じて打ち解けていく様子が良い。以下ネタバレ反転→でもラストで目が見えるようになった遙香が啓子を見つけるシーンは、「優しい目だから」だけじゃなくて、冒頭の話に絡めて匂いの要素も入れたほうが良かった気がします。
「欠片」…姉妹百合のお話。こんな関係は良くない、長続きしないと別れようとする姉だが…、という感じの話です。妹の姉ラブっぷりが切なくもこそばゆい。
「リンケージ」…女性科学者とロボット娘のお話。ロボットに感情を与えていこうというプロジェクト。しかしある日ロボットが突然機能を停止してしまい…というお話。表題作だけあってベストエピソードでした。機械が感情を持つ話にはどうも弱いです。唯一キスシーンが無いエピソードですが、それ以上に「つないだ手の暖かさ」を感じられる良い話でした。
ちなみにリンケージとは「繋がり」を意味するそうです。
相変わらずエラソーな事言いますが、絵に癖が無さ過ぎて平板な印象を受けるので、もう少し絵に個性が出てきたらキャラの引力も増す気がします。
面白そうな漫画家さんが出てきました。期待値込みで続刊も買い。
- 余談
たまに表紙買いで百合姫コミックス買うけど、完全にハズレと言い切れるものに逢った事がない気がします。出来ておる喃。
*1:それはお前の趣味だろ