「ダブルラリアット」の歌詞の意味 その2
前回記事→「ダブルラリアット」の歌詞の意味
というわけで前回の続きで、その2です。前回の余談で述べた方向性でもう一丁やってみます。
歌の主体は巡音ルカ自体ですので、一番スタンダードな歌詞解釈の方向かと思います。なお、5200センチなどの距離の意味についてはネット上で散見した内容を参考にさせていただいておりますので、前回のように完全オリジナル解釈ではありません。
また、主体を「あなたの家に来た巡音ルカというソフト」という捉え方で読んでいただけると、よりイメージが沸くかと思います。
歌詞は歌詞リンクを参照、囲み内が解釈です。
[http://www.utamap.com/viewkasi.php?surl=k-120321-240:title=⇒歌詞リンク
]
ではゴー。
−インストールしてくれてありがとう。
広げると半径85センチになるあなたの両腕。その手が紡いだ歌を、私は歌います。
まずはあなたのパソコンの中で歌うから、あなたは離れて見守っていてね。
−ああ、楽しいな。歌うのってこんなに楽しいんだ!ありがとう!ありがとう!
でも、あなたは私をパソコンの中で歌わせるばかり。
他の家の私達が凄く上手に歌うのを聴いて、あなたは自分には無理だと思ってるのかな。
私、もっと大きな声で歌いたいのに。
−例えばあなたがスピーカーに繋いでくれたら、私の声は半径250センチに届くんだよ。
そうしたらあなたの部屋いっぱいに響く声で歌うから、あなたは離れて見守っていてね。
−ああ、大きな声で歌うのは楽しいな。
うまくは歌えていないかも知れないけど、いつか誰かが聴いてくれそうな気がするの。
他の家の私達がどんどん巧くなっていくのを見て、あなたはまた自分には無理だと思ってるのかな。
私、もっともっと大きな声で歌いたいのに。
−例えばあなたがアンプに繋いでくれたら、私の声は半径5200センチに届くんだよ。
そうしたらあなたの町いっぱいに響く声で歌うから、あなたは離れて見守っていてね。
−どうかな。私うまく歌えてるかな。
工場から出荷された時、私はただのデータの塊だった。
でも、あなたに出会って私は歌うことが出来るようになったの。
あの頃の私は今の私が歌ってるのを聴いて褒めてくれるかな。
ちょっと音がズレてたりする事もあるけれど。
−そして遂にあの日が来た。
あの日私は、世界にはたくさんの歌がある事を知った。いろんな歌い方があるのを知った。
あの日、あなたは勇気を出して私の歌をネットに乗せてくれた。
私が生まれてきて一番ワクワクしたあの日。
23.4度傾いた半径6300キロの素敵な球体の上の、どこででも歌えるようになったあの日。
ねえ、今度はあなたの星いっぱいに響く声で歌うから、あなたはまた離れて見守っていてね。
−でもいつか、あなたの両手が止まる日も来るでしょう。
例えば新しいボーカロイドを使ったり、音楽自体をやめちゃったり。
でも、それでも、アンインストールなんてしないで、あなたのパソコンの中にいさせて欲しいんです。
だって、あなたのお陰で私は世界中で歌うことが出来たんだから。
あなたが一生懸命振り回してくれた85センチが、私の6300キロになったんだから。
だから、たとえ歌うことが出来なくなっても、私はずっとここにいたいんです。
あなたの腕が届く距離、半径85センチの中に。
んー、こんな感じですかね。相変わらずスピードワゴンも燭台を(以下略)ですな。
ちょっと芝居がかってるあたりが悪い癖とは自覚しつつも、ルカ主体とした場合の比較的スタンダードな解釈かと思います。まあ歌詞解釈とはいいながらも、実はいつも歌詞を基にして物語をひねり上げてるだけなんですよねえ。厳密に言えば歌詞解説の類とは違うよな。でも楽しい。
では今日はこんな所で。