狐とアトリ

狐とアトリ―武田日向短編集 (角川コミックス ドラゴンJr. 111-1)

　先日表紙買いした短編集。

　表題作の「狐とアトリ」は山奥の神社に二人で暮らす童女「アトリ」とその姉の巫女姉妹の物語。「妾（わらわ）」とか「…じゃ」とか年上言葉で喋る童女はやはり良いですねえ。お話は平穏に暮らしていた二人の下に姉に化けた狐がやって来て…といった和風ファンタジー物。殺陣はダイナミックに、姉妹の表情などは繊細に描かれ、画面にメリハリがあって目に楽しく、気持ちよく物語世界に没頭させてくれます。

　元々和風伝奇物は好物ですし、「ちょっといい話」的なオチも好み。

　また、同時収録の「ドールズ・ガール」は入院中に出逢った二人の女の子の友情を描いたガール・ミーツ・ガールの物語。病床で「永遠の友情」を待ち続けていた少女が、「永遠じゃないかもしれないけど、大事な友達」の為に走り出すシーンが良い。そう、「永遠そのもの」よりも「永遠でありたいって気持ち」の方が大事だよね。良い話描くじゃないの。

　
　というわけで中々に面白かったです。武田日向さんって漫画家聞いたことないけど、これは良い。好みです。

　他に見かけたらまた読んでみるとしましょう。

• おまけ

　上にも表紙出てるけど、あまりに美麗なのでＵＰ。

　

　店頭でコレに一発でやられちゃったんですが、やられて正解でした。

• 余談

　あー、今調べたらちょっと前にネット界隈で見かけたコレ

異国迷路のクロワーゼ 1 (角川コミックス ドラゴンJr. 111-2)

　描いてる人か。良さそうな匂いしてるんだけど、まだ読んで無いんだよなー。早速買っとくかね。