恋愛ラボ 1巻
- 作者: 宮原るり
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2008/03/07
- メディア: コミック
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増刷分でようやくゲットだぜ。話題になり始めた頃に買いに行ったらあっさり品切れでしたからねえ。
「となりのネネコさん」がかなりツボでしたので「みそララ」とこちらの「恋愛ラボ」も読んでみましたが、確かに面白いわこの人の漫画。特に今作は相当にコメディ方向に振っているらしく、吹き出してしまう事もしばしば。主人公の2人の内、真木がボケでリコがツッコミっていう図式が第一話からはっきり明示されてるから、読むほうとしてもすんなり作品世界に入っていけます。
で、この作品の何が良いって、登場人物がドイツもコイツもものっそい可愛いのが実にイイ。しかも眼鏡とかツインテールとか言った外見的記号によらない、内側から滲み出てくる可愛さ。これは堪らないですよ。
ではあらすじ兼ねた人物紹介でも。
・真木夏緒(マキ)…才色兼備の生徒会長。一見完璧に見えて、実は隠れて放課後に生徒会室で日夜恋愛を研究する、ちょっとイタい子。妄想が暴走する天然ボケは、最高のパートナー、リコと出逢う事によって更に加速する。恋愛研究のズレっぷりとリコとのレズっぷり(オイ)が可愛い。
・倉橋莉子(リコ)…お嬢様学校の藤崎女子中学校の中にあって、服装、言葉遣いともにちょっとラフな女の子。その男らしさに惹かれる女子も少なくなく、彼女達から「ワイルドの君」という赤面モノの二つ名で呼ばれている事を本人は知らない。ひょんな事からマキに恋愛の達人と勘違いされ、彼女の恋愛研究を手伝う事になる。実は恋愛素人である事を言い出せない意地っ張りな所と、態度はざっくばらんながらもマキの事を大切に思っている所が可愛い。ツッコミは愛。
・棚橋鈴音(スズ)…生徒会の書記。とってもシャイな眼鏡ドジッ子。眉毛はいつもハの字。ある日マキとリコのヒミツの恋愛研究を目撃し、彼女達に合流。仕事に一生懸命な所とドジッ子性能が高すぎて可愛い。
・榎本結子(エノ)…元生徒会長。仕事が出来すぎるマキ(当時副会長)に嫉妬して一時期生徒会から離れていたが、マキとリコが生徒会室で楽しそうに何かやってるのをやっかみ、二人に嫌がらせをするようになる。嫉妬する動機、行動ともに一番年長者なのに一番子供っぽくて可愛い。
・水嶋沙依里(サヨ)…お金をこよなく愛する元生徒会会計。逆にお金以外ににはクールな無表情キャラ。エノの親友で、彼女と一緒に生徒会を離れていた。エノの嫁(ツッコミ役)だけあって彼女の一番の理解者。普段は冷たくツッコミつつも、時に滲み出るエノへの純粋な想いが可愛い。ツッコミは愛その2。
とまあそんな具合。紹介文で冗談交じりに書いた通り、百合モノとして捉えることが出来なくもない作品ですが、正攻法で友情を描いた良質な学園ドラマとして捉えるだけでも十二分に面白い。「となりのネネコさん」と同様、基本はコメディながら中学生女子達の人間関係の軋轢を鋭くも暖かく描いた、笑った後にじんわり沁みる良作です。
特に「恋愛ラボ」の5人が集結する今巻ラストの話は本当に良かった。それぞれがそれぞれのイイ所をここぞとばかりに発揮してて、最高の一話でした。単行本丸1巻分かけてようやく「恋愛ラボ」の発足という事で前振りが長いと言われているようですが*1、逆に言えば丸1巻かけてキャラを掘り下げたからこそ、ここまでのカタルシスが得られた訳で。作者はここまで計算してやってるんだろうな。素晴らしい。
また4コマで目の離せない作家さんが出てまいりました。ホント、これだから漫画はやめられない。
- 超余談
書記の棚橋鈴音、読みは普通に「たなはしすずね」なんですけど、つい何となく「レイン」って読んじゃいます。だいたい山東ユカ先生の「みずたま注意報」買い始めたのだって主人公が「玲音(レイン)」だからだしなー*2。どんだけ「serial experiments lain」好きなんだよ俺。ちなみに「lain」の主人公の名前は「みずたま注意報」と同じ漢字で「玲音」。アニメ全話はもちろんの事、PS版までやった日々が懐かしい。