Rozen Maiden 1巻
「私の名は<真紅>
Rozen Maiden新装版 1 (ヤングジャンプコミックス)
- 作者: PEACH-PIT
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: コミック
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今頃ローゼンメイデンですか。ああ今頃だともよ。面白けりゃ何だって何時だっていいのさ。それが漫画のイイ所。
自分の性向として未読漫画の情報は極力入れないようにしてて、ローゼンメイデンも世間で話題になってはいたもののどんな漫画かほとんど知りませんでした。敢えて言うなら、イメージとしては可愛い生き人形がたくさん出てきて「萌えー♥」とか「かわいいー♥」とかいうお気楽な日常コメディものかと思ってたんですよ。
で、今回の新装版発刊に伴ってどんなもんじゃろと思って買ってみたら…
何だコレおもしれーじゃん!
というわけで思いっきり裏切られました。もちろんいい意味で。
主人公は怪しげな通販が趣味のひきこもり少年「桜田ジュン」。姉の「桜田のり」の世話焼きに反発しつつも甘えて暮らしている彼の元に、ある日通販の物と思しき大きな鞄が届く。鞄の中には精巧に出来た女の子の人形。背中のゼンマイを巻くと「彼女」は自律的に動き出し、ジュンに向かってこう言った。
「私の名は<真紅>
薔薇乙女 の第5ドール。 そしてジュン お前はこれより真紅のしもべとなる」(
こうして訳のわからないままに真紅の契約者となってしまったジュン。人形にとっての魂とも言える「ローザミスティカ」を賭けた
薔薇乙女 達の戦いは、まだ始まったばかり――。(
あらすじはそんな感じ。基本的には可憐な人形達が繰り広げるファンタジーバトル物なのですが、主人公のひきこもり少年、ジュンの心の成長がもう一本の柱になっている様子で、実に読み応えがあります。こんなに面白い漫画を今まで「ただの萌え漫画でしょ」ってスルーしてた過去の自分に喝を入れてやりたい。だって、1巻を読んだ直後にこんなに続きが読みたくて読みたくて堪らないんだもの。バーズ版を買えばすぐに続きが読めるんだけど、YJ版で集めるしかないんだよなー。月1冊かー、もどかしいなあ。
今巻では真紅と水銀燈という2体のドールしか出てきませんが、精緻な描き込みで非常に可憐で美しい。それが動いて喋ってバトルするんだから眺めてるだけでも楽しいってもんです。
一方、もう一つのテーマである桜田ジュンの物語がいい出来なんですよコレが。決して押し付けがましくなく物語に絡んでくるので、とても自然に読めます。
例えばこちらは、真紅が姉の桜田のりに紅茶の淹れ方を教えている所。
表向きで話しているのは紅茶の事なのだけれど、ここではのりがジュンに世話を焼きすぎている=のり自身がジュンの自立を阻害している面もある事を示唆して話している訳です。こういうシーンが所々に織り込まれて物語の質を高めています。いや、これは実に良い。
全7巻連続刊行との事。しばらくは月末が待ち遠しい日々が続きそうです。