SKET DANCE 3巻
- 作者: 篠原健太
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/04/04
- メディア: コミック
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学園の何でも屋「スケット団」の3人が学校内で発生する事件を解決したりしなかったりするコメディ漫画。昔のジャンプで言う所の「学園情報部H.I.P」みたいな感じですか(昔過ぎる)。
良く出来たギャグ部分できちんと笑わせてくれつつも、時折心温まる話なんかも織り込んでくるから侮れない。「サムライうさぎ」といい、最近のジャンプはこういう路線で「読める」漫画が連載されるようになってきた。
確かに少年誌にはバトルとエロも必要ですけど、十年の後に「ああ、そういえばああいう漫画もあったな」と思える、地味だけど心に残る漫画も必要だと思います。
さて、そういう意味で「SKET DANCE」は非常に完成度が高く、既に1〜3巻で3回通しくらい読んでる程。面白い上に沁みる話もあったりして実に読み応えがあります。2巻の人形劇の話は不覚にもやられました。ホント最近脆いわー。
あと、作者さんの姿勢なんでしょうけど、脇キャラ達を使い捨てにしない所が良いです。3巻でも、普通だったら読者に人気のある(だろう)モモカだけ出しとけば特に問題ないだろうに、ちゃんとイヌサルキジの3人衆もチラッと出てるんですよね。こういう作品世界を大事にする描き方って好き。
ネット上ではあまり感想見かけないんでイマイチ盛り上がってない様子ですが、しっかり面白い正統派の少年漫画。このクオリティで続けばそのうちブレイクするんじゃないでしょうか、コレ。
仮に漫画としてブレイクしても腐女子とオタクに媚びた作り方をしてないんで、アニメ化は絶対にありえないけど。ま、そこが良いんですけどね。是非このままの雰囲気で続けて欲しい良質の漫画です。
- 余談
どっかで一度きちんとまとめたいんですけど、少年誌には「ベタで地味に良い漫画」ってやっぱり必要だと思うんです。たとえそれが長年漫画を読み続けている漫画マニアにとっては二番煎じ三番煎じのものだろうと、その他の多くの人達の人生の中で少年漫画誌を読むなんてのは所詮一過性のもの。従って彼等が小中学生のまさにその頃に「そういう漫画」が連載されてないと意味が無いわけで。
仮にそれが多少道徳の教科書風というか説教臭い所があったとしても、多感な時期に読んだそれは(毛ほどかも知れないけれど)人間形成に影響を与えるだろうから。それは「漫画による教育」なんて御大層な話じゃなくて、なんとなーく心の中に残っていれば良いというレベルの話。以前もブログ内で触れたように明文化された「たかが法律」よりも明文化されていない「モラル」の方が社会では重視されるべきと考えてますので。
ホント何回も描いてますけど、そういう事も含めてベタ大好き。ベタ万歳。