番線 〜本にまつわるエトセトラ〜
番線―本にまつわるエトセトラ (ウンポコ・エッセイ・コミックス)
- 作者: 久世番子
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2008/03/27
- メディア: コミック
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何ですかコレは!ニヤニヤ漫画にも程がある!
えー唐突でスミマセン。私若干興奮気味であります。だってこの漫画がですね、この漫画が…だってなんだかだってだってなんだもん(わかりません)。
要はこの漫画が本好きのツボをぐりんぐりん押しまくって下さるのがたまらねえという訳ですよブラザー。前作「暴れん坊本屋さん」でもそうでしたが、本好き本屋好きにとってこの人の着眼点と描写は那須の与一レベルの精密射撃。そりゃあオイラのハートもあと半分になろうというものです。医者はどこだ!
前作が本屋で働く作者のエッセイ漫画だったのに対し、今回は本にまつわる色んな所に取材に行って描いたルポ漫画の形態。オビにも冒頭のカラーページにもある通り、作者も取材先の人たちも「本への愛が溢れまくってる」状態が読んでいて非常に気持ちいい。何コレ桃源郷?
とにかくビブリオマニアもその予備軍もフツーの本好きも本に愛を感じてる人には迷わずオススメ。「そう!そうなんだよ!」という共感と「アレってそうなってるんだ!」という驚きが詰まってる素晴らしい萌え本(断言)です。だってコレ読んでる間もうニヤニヤが止まんないもの。
以下、自分が特にニヤニヤした所をネタバレしない程度に。
・アツ過ぎるぜ本居宣長先生。そしていい人だ…。
・本棚の作戦会議は日常茶飯事。収納場所は本好きにとって悩みの種。そして悩むのが楽しいと思い始めたら手遅れ。
・国語の教科書の話。せっちゃああああん!二十年来名無しだったあの感情にようやく名前が付いた。そうか、あれが「萌え」だったのか。もう一回『どろんこ祭り』読みたいなあ。国語の教科書とか今読んだら面白いだろうに、取っておかなかった俺の馬鹿。かと言って三十路になって小学校の教科書買うのも炉心溶融しちゃった人みたいで何だかなあ。ああ、そのくらいの子供がいてもおかしくない年だから良いのか!(目を覆うほどのポジティブシンキン)
・国会図書館…萌えるッ…否、萌えすぎる…ッ!以前このブログの中でもR.O.D.の読子の家*1に憧れて止まない事に言及したが、そういう所が現実に、しかも国立で国内に存在する事をすっかり忘れていた。
本の山?本の海?いや、本の宇宙を護る構造と職員のアツさがイカシ過ぎ。巨大構造物と本棚が大好きな自分にとって『書架が××になってます』って言葉は最早凶器以外の何物でもありません。思わず音石明ヅラで「うっ…とり♥」してしまいます。「層」とかもうどんだけ。
・寝る前の本、いいですねえ。枕元に本の無い生活なんて考えられません。未読の本が積んであるプレッシャーと喜び。僕にはまだ帰るところがあるんだ…こんなに嬉しいことは無い。
ではそんな所で。本好きじゃない人にとっては1mmも面白くない漫画ですが、逆に本好きにとっては堪らない漫画です。太鼓判!
*1:古いビルを買い取って全部本で埋め尽くしてる