宅配屋ポー／ＤＵＡＬ　ＡＣＣＯＵＮＴ

　表紙買い。作者も聞いた事無い人。こないだ出てた「ギレン暗殺計画」を描いた人だとか。

　正直な所、２作とも悪い意味で「良く出来た商品」に感じました。表題作の２作とも舞台仕立て、キャラ共に決して悪くは無いのだけれど、どうにも借り物的というか、工業製品的なイメージが漂っています。非常に肌感覚的な物言いになってしまいますが、作品から作者の「熱」を感じません。

　そこそこ読めるレベルなだけに、あと一押しがあれば佳作が描けるのでは、と思うと勿体無い気がします。

　あとがきを読んだ所、作者名の「Ark Performance」ってのはどうやら個人ではなくてグループの名前の様子。他の漫画に比べ、作品というよりは商品的な匂いを感じるのも、そういう共同作業で作られた漫画であるが故なのかも知れません。

　端的に言うとメイドイン職人村、といった感じ。

　そういう意味では「ターミネーター」とか「ガメラ」とか「戦国自衛隊」とかの映画のコミカライズを依頼している角川書店は作者の特性を理解しているように思います。

　
　ちなみに個人的に一番良かったのは宅配屋ポーに併録の「Σ-πｒ2」。ご近所ＳＦものは好物ですし、コメディのテンポも良。

　
　ただし残念ながら再読するほどの魅力は感じず。売却用のダンボールの中へゴーです。