巨娘 １巻

巨娘(1) (アフタヌーンKC)

　えー、このたび新年を迎えまして、

　木村紺先生がぶっ壊れ奉りあそばされました事、心よりお慶び申し上げます。

　しかもキワキワのノリノリで。「北斗の拳２」でジャコウ様とか予告ボイスやってた時の千葉繁並のまっこと素晴らしきイカレ具合のテンションで繰り出されまくるマシンガンの如きギャグに、当方の腹筋は散様の螺旋を喰らった直後レベルまでぐるんぐるんよじれまくってしまいました。死ねる。

　というくらいに面白いです。笑えます。前作「神戸在住」との共通点といえば「女性数人の日常を描く物語」というだけで、その内容は天と地ほども違います。「神戸在住」で描かれる素敵な街と人間模様に比べたら、「巨娘」は最早幽世（かくりよ）と見まがうばかりの欲望と混沌と漢気がラインダンスを踊り倒すステキ世界。文字数が多く、とにかくギャグがこれでもかこれでもかと詰め込まれていますので読むのに時間は掛かりますが、それだけの価値はある面白さ。ブラックなネタとかツッコミ書き文字で笑わせるスタイルは既存の漫画家さんで言うと西原理恵子先生を彷彿とさせますが、「巨娘」は１巻ということもあってか、それとも木村先生に溜まり溜まっていたものがよっぽど重かったのか、とにかくその濃度がハンパありません。ワタクシこういう○チガイ漫画は大好きで御座います。

　ではあらすじ紹介を兼ねて人物紹介を。

　
ジョーさん（巨娘）／１８１ｃｍの暴走機関車。焼き鳥店「鳥吉４号店」店長。力持ち。超マイペース。絶倫。萌え要素など１ピコリットルも無し。ただしスジを通すときは通す男前な女。受け攻めで言うと強襲型。

美樹（よしき）君／通称「お兄ちゃん」。ジョーさんの彼氏。小柄。シャイ。女の子よりかわいい。線細い。つまり母性本能をくすぐり倒すタイプ。受け攻めで言うともちろん受け。つーかジョーさんの攻め（責め？）を受け切れるんだから潜在能力は高いのかもしれない。

トオル（巨娘２）／１７２ｃｍのアウトロー。４号店のキッチン担当。仕事は正確で早い。ウォーズマン風の笑顔で「カッ」とか「ククク」とかカ行で笑う花丸キ娘。彼女の肉厚中華包丁は食材と彼女の前に立ちふさがる者全てに平等に振り下ろされる。埒外に刃物。あぶなーい！上から襲ってくるゥーッ！彼女とジード以外で「ヒャッハー」なんて台詞がこれほど似合う人を、僕は他に知りません。

ポン子／４号店ホール担当のイマドキ娘。鳥吉で働く前はゴスロリ趣味だったり意味不明ファッションをし、敬語の全く使えない「痛い子」だった過去あり。事あるごとに問題を起こしてはジョーさんにお灸を据えられているが、あまり懲りてない様子。ドリルツインテールなのに微塵も可愛くない（私見）。

サチさん／同じく４号店ホール担当。黒髪ロングで清楚。仕事もデキる４号店の良心回路（ジェミニイ）。ジョーさんと同期入社でナイスガイの「タケルさん」に密かに想いを寄せており、彼の事になると女の情念が噴出してゴーゴンヘアーになる。

千鶴（ちづ）／美樹君の妹。天才策士。亜なりし彼（か）の時、ゴッドハンドのジョーさんに美樹君という贄を捧げた張本人。サッパリした性格をしており、ジョーさんと気が合う。身長は低め。

　メインのメンバーはこの６人で、お話は彼女達の掛け合いで進んでいきます。ジョーさんの豪放磊落っぷりもステキですが、個人的には脳みそがドンパッチの塊で出来ているとしか思えないトオルのトビっぷり＋毒舌っぷりが大好きです。もう彼女が登場するたびにワクワクドキドキです。これってもしかして…恋？（吊橋効果っぽいけどな）

　あまりに気に入ったのでダラダラ書いてしまいましたが、とにかくオススメです。久しぶりに１冊の漫画でここまで笑ったわー。

　続巻購入即決。