おやすみ終了とコートの話

 長かった連休も今日で終わり。9連休あって結局ほとんど家にいたなあ。まあいつもの事ですが。

 今日は買い物に行ってコートを買ってきました。前のコートが結構くたびれてきたんで、ここはひとつ一生物の奴をガツンと買っとこうかと思い立って。昨年3月の引越しの際に発見された商品券*1もあったし。


 つうわけで憧れだったアクアスキュータムのトレンチ買っちゃいました。トレンチコートの王道って事でバーバリーアクアスキュータムのどちらかにしようと思ったんですが、例のチェック柄で有名なバーバリーは今時猫も杓子も着てて面白くないんで。一応あちらもトレンチコートの現物を見た所、確かに良く出来てはいるんですけどねえ。援交女子高生とかお水の方々御用達のブランドみたいになっちゃってどうにも自分内でのイメージが悪い。ビジネスシーンで言うと「とりあえずバーバリー着とけばいんじゃね?TUMIかポーターの鞄持っときゃいんじゃね?」みたいな安易さがあってどうも一歩引いてしまう。一方アクアスキュータムの方は知名度バーバリーに比べれば段違いに低いけど、非常に質実剛健に伝統を守り続けているようなイメージがあって自分好み。逆に言えばバーバリーみたいに廉価版が無いって事なんですが、「だがそれがいい」って奴ですよ。


 基本的に自分の性向としてコカコーラかペプシかっつったらペプシトヨタニッサンかっつったらニッサンですからね。誰もが認めるナンバーワンよりちょっと外した所が好きなんですよ。典型的なアンチ気取りですね。


 ブツはもちろん百貨店で買いました。ヤフオクとかネット販売で買えばもっともっと安く手に入るんだろうけど、そんなの本物かどうか怪しいもんだし。よしんば本物だとしても「本物じゃないのかも」という疑念が欠片でも自分の中にあればそれは既に本物じゃないわけで。自分自身に審議眼が無い以上、「本物かどうか」ってのは「本物と信じられる周辺情報がどれだけあるか」って事に過ぎませんから。それに高級品を買うときは値切らない/ケチらない、ってのが一応自分ルールなので*2。単純に所有してる喜びを得たかったり周囲に自慢したいだけなら値切り倒して買っても良いのかも知れませんが、元々高級品ってのはやんごと無き方々が身に付けるものですから、そんな人達が値切ったりオクで落としたり分割払いで物を買ったりするわけが無いんですよ。本当に良い物を買う時はその作法に従うのがブランドに対する礼儀というものです。これだけ金をかけたぞー、って事で自分自身への発奮*3にもなりますしね。


 ちなみにコートの色はネイビーブルー。ライセンス生産の日本製の物には黒もあったんですが、黒のトレンチって社内でも街中でも結構着てる人いるんだよね…。映画やTVのハードボイルド物や刑事物の定番カラーであるベージュにも惹かれたんですが、冷静になって考えると10年20年着ていったときに間違いなく汚れるな、と。というか絶対に粗相をして汚すな俺、と。まあそれにイギリスつったらやっぱネイビーでしょ*4、って事で。


 で、肝心のブツはというと、痺れるほどにカッコいい。お店で色や形でさんざっぱら迷った甲斐があったというものです(1時間近く付き合ってくれた店員さんには本当に感謝)。それなりの金を出したという認知的不協和を差っ引いたとしても、今まで自分が着てきた服のどれよりもしっかりした作りなのが随所から伝わってきます。


 さて、お店では私服だったので、家に帰ってから当然スーツ着てコートを羽織ってみたわけですが、これがもうびっくりするほど違和感があるわけですよ。そりゃお店で試着した時からある程度の想像はついてましたけどね。もうコートに着られてる感丸出しっつうか、明らかにコートの方が自分より勝ってる*5。ウィナーはコートで俺ルーザー。
 いやいや、やっぱり本物はこうでなくちゃ。これが似合わないならこれが似合うようになれば良いわけで。コートを自分に馴染ませて、自分がコートの位置まで成長して。何年かかるか分かりませんけど、これでこそ高級品を買った醍醐味というものです。


 つーわけで明日から仕事初め。気合ぶちこんで行きましょう。

 

*1:総額5万円くらい。→前回の日記参照

*2:とか言って貰い物の商品券使ってますが

*3:及び家計への戒め

*4:ネイビーブルーは元々イギリス海軍の軍服の色。ネイビーは海軍の意

*5:サイズとかの問題じゃなくて、「格」の問題で