もう俺ハエでいいや 1・2巻
「もう俺、ハエでいいや」
もう俺、ハエでいいや 1 (1) (KCデラックス モーニング)
- 作者: 大ハシ正ヤ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/23
- メディア: コミック
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「そろそろ会社の経営を任せようとしている矢先、
息子がカレーのペース配分を間違う」
- 作者: 大ハシ正ヤ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: コミック
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なんなんですかねこの漫画は。
要は一コマ漫画なんですが、ネタのセレクトがいちいち重箱の隅というか日常生活のどうでも良い様な事をついてくる。もっと詳しく言うと、「出来ればそこには触れて欲しくなかったのに」みたいなネガティブな「あるあるネタ」というか。
もっと抽象的に言うと他人の脇の匂いを嗅がされて「臭ッ!」と思いつつも「…あれ?これって自分の脇の匂いに近いんじゃねえ?ちょっと安心しねえ?」みたいな気持ち悪くも面白い感覚。
いや、なんであえて抽象的に言うかね。
ああ、そうそう「嫌な所で共感しちゃったなあ」というのが一番近いか。
この漫画は多分読む人を選びます。消極的で根暗でシニカルでいっつも世の中を斜に構えて見てる癖に肝心の所は抜けている、要はオタクに多く見られるような人間には合うんじゃないでしょうか。そういう意味では「カラスヤサトシ」に似てる気がします。ただ、「ハエでいいや」の場合は自虐ネタと言うわけではなくて、そういう日常的に見られる人間のみっともない所を客観的に突き放してツッコミを入れることで、「意地張ってねえで、受け入れちまいなよ」と言っている様に見える。
つまり「変なのはアンタだけじゃないよ」「こういう事って誰にでもあるんだよ」と言ってくれているような。そして「でもやっぱ変は変だから。ご愁傷様」と続くような。
抽象的に言うと自分と同じくらい脇が臭い人が他にもいる、と知ったときの安堵感というか。で、その後に「でも臭いもんは臭いから。ご愁傷様。」と言われた時の絶望感と諦観というか。
いや、なんであえて抽象的に言うかね。
なんともむずがゆい読後感(何ソレ)を求めている人は是非ご一読を。ってどんなニッチな市場だよソレ。
- 余談
名誉の為に言っておくと一応自分はワキガは大丈夫です。自分の周りの人間が優しすぎる場合を除いて。
- 余談2
2巻オビについてるモーニング25周年キャンペーンのクーポンがまた嫌なデザイン。最近のモーニングの単行本のオビについてるコレ、「アメコミのナンバー表示みたいで良いデザインだなー」と思ってただけに「俺ハエ」のクーポンのギャップに愕然とした。
証拠写真。上が「ジジジイ-GGG-」、下が「俺ハエ」
「ジジジイ」クーポンの小洒落た感じに比べて「俺ハエ」クーポンの負の力といったら。もう完全にフォースの暗黒面ですよ。お守り感覚でポッケに入れておくだけで未だかつて無いほどプレゼンに失敗しそうなじっとりしたオーラがにじみ出ています(言い過ぎ)。
まーどうでもいいっちゃどうでもいいんですけど。