東京奥多摩のヒカリ - それはロックじゃない

「まてコラーっ！タイホよ　タイホ!!」

作者: 磯本つよし
出版社/メーカー: 少年画報社
発売日: 2007/07/04
メディア: コミック
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　こちらは以前紹介した「東京クレーターのアカリ」のサイドストーリー。アカリの母親ヒカリと父親マサの若かりし頃を描いたバイクアクション物です。

　眼鏡っ娘で元気一杯の女性「山吹ヒカリ」は奥多摩の峠の平和を守る駐在さん。相棒の「さんちゃん」とともに今日も悪質なバイク乗り達を懲らしめるため、ヒカリは愛車のドゥカティを駆って奥多摩を縦横無尽に駆け抜ける！…んだけど、ちょっと無茶しすぎじゃない？ヒカリさん！

　お話はそんな所。アカリとヒカリのキャラ造形は全く同じなので、あちらのエアバイクが普通のバイクになってＳＦ要素を除いたのがこちらと思っていただければ。

　お話としてはこちらの方が庶民的というか「田舎の元気な駐在さんの話」という感じで、なんと言うか土の匂いがします（空飛んでないしね）。また、実在のバイクが色々出てくるのでバイク好きの方はより楽しめるんじゃないでしょうか*1。

　前にも同じような事書いたと思いますが、やっぱこの人のメカの緻密な描き込みとか魅力あるキャラ作りは結構好き。メジャー所で例えるなら「逮捕しちゃうぞ」や「ああっ女神様っ」の初期の雰囲気に近く、非常に良く出来てます。

　というわけでこちらも楽しく読ませていただきました。独りよがりになってる所も分かりにくい描写も無くて、構図の取り方も巧い。何よりキャラとメカの魅力がストレートに伝わってくるのが好感度大。これだけ水準以上に仕上がってる作品なのにあまり知られて無い様子なのが残念。巧い言い方が見つからないので抽象的な表現になってしまいますが、これほど「漫画してる」作品って案外少なかったりする。

　読んで損は無いと思う良作。「アカリ」の方もオススメです。