茄子 アンダルシアの夏
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2003/12/21
- メディア: DVD
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昨日に引き続いて自転車レースモノ。
主人公のペペ・ベネンヘリは自転車レーサー。その日のレースは彼の故郷のアンダルシアで開催され、ペペはチームのエースが優勝するためのアシスト役に徹する事を監督に伝えられる。しかもその日は兄カルロスとかつての想い人カルメンの結婚式の日だった。故郷へ向かっての道のりを複雑な想いを抱えつつ走るペペに、監督から慌てた様子で無線が入る。
「―状況が変わった。お前の仕事を言う。――勝利だ!」
真っ青な空と夏の日差しの下で、ペペはペダルを踏む足に力を込める。
故郷と、勝利に向かって。
黒田硫黄の傑作連作集「茄子」の中でも名エピソードである「アンダルシアの夏」を、あのスタジオジブリと縁浅からぬ高坂希太郎が監督するとあっては面白くないわけが無い。
で、まあ期待通りに面白かったです。特に自転車の群れの動きなんかは流石にアニメーション。非常にわかりやすく見せてくれました。また、ストーリーに関しても余分な設定とか切り落としとかせずに、原作に忠実なストーリー展開で45分程度に収めたのも好感。
ただ、正直原作版の方が「夏の匂い」がしてたような気がします。鮮やかな空の青とか砂埃とか風の音とか、南スペインの空気を伝えようとしているのは良くわかるんだけど、どうにも「惜しい」感じです。まあ、ただアレだ。黒田硫黄はその場所の空気とか匂いを伝える天才だから。白黒の画面で、しかも決して写実的・緻密な絵でもないのに、あれだけ「伝えきる」能力って漫画家として稀有だと思います。
あと自転車繋がりでロックの塊魂こと忌野清志郎が「自動車唱歌」ならぬ「自転車ショー歌」をエンディングで歌ってたのがちょっとツボでした。面白けりゃ何でもアリです。
もちろん原作マンガ「茄子」もオススメ。「大日本天狗党絵詞」に比べてわかりやすいし、黒田入門にはやっぱこれがベストではないかと。ちなみに「アンダルシアの夏」は2巻に収録。
- 作者: 黒田硫黄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/05/23
- メディア: コミック
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- 余談
ところで「セクシー ボイス アンド ロボ」の3巻はいつ出るの?スゲー楽しみにしてるんだけど。