シャカリキ!

アツい!アツすぎる!


 自転車レースに燃える少年達を描いた本作は「め組の大吾」や「Capeta」を描いた曽田正人の初期傑作。雑誌で所々読んでたものの全部読んだのは今日が初めて。まさか、こんなに面白いとは!思わず全巻一気読みしちゃったよ(ソレで更新がこんな時間に…)。


 主人公のテルだけじゃなく、自転車を通じて出会う連中がまたドアツい連中ばかり。全編にわたって暑苦しい連中が自転車を漕ぎ続けるだけの漫画なのにどうしてこんなに面白いのか。

 登場人物の一人、「皇帝カイザー」酒巻のチーム監督がその事について非常に的確な言葉を劇中で語ってくれているので下記へ引用する。

ロードレースは…自転車競技の原点はしょせん“意地の張り合い”
大人になりきれない“永遠の少年達”の
それは幼稚な意地の張り合い

でも だからこそ

このスポーツは限りなく熱いんだ!!


 小学校の頃、自転車で友人とプラモ屋に行く時に何故か競争みたいになってしまう事がしばしばあった事を思い出す。友人がちょっとスピードを出せば「俺の方が早い」とばかりに抜き返し、そしてまた友人も同じ事を繰り返して、次第にハイペースになっていく。それでいて信号待ちでは絶対に息が上がっているそぶりを見せないようにする。
 そういうときに感じた胸の高鳴りを思い出させてくれる漫画だ。

 「始めなければ負けることさえ出来ない」
 「諦めたらそこで試合終了だよ」
 「本当の敗北とは“心が折れる”事を言うんだ」

他の漫画においても、この事は形を変えて幾度と無く語られる。
しかし、漫画と言うフィクションの世界の言葉でありながら、それ自体はフィクションではない。

自分の気持ちを高めたいときには最適。少年漫画かくあるべし。

 

  • 余談

 あ、あと女子キャラではスズコちゃんが良かったです。メガネでショートでツリ目のツンデレ系で。