荒川アンダーザブリッジ

荒川アンダー ザ ブリッジ 3 (ヤングガンガンコミックス)

荒川アンダー ザ ブリッジ 3 (ヤングガンガンコミックス)

 最近発売の3巻の表紙見てガンアクションかと思って良く見たらギャグ漫画でした。でも面白そうなんで1〜3巻まとめてジャケ買い

 大企業の御曹司で超エリートの主人公「市ノ宮 行」は、荒川に落ちて溺れたところを橋の下に住む自称金星人の少女「ニノ」に助けられる。彼女はちょっと電波な少女だったが、「人に借りを作るな」が家訓の市ノ宮は律儀に借りを返そうとする。すると彼女の望みは「私に恋をさせてほしい」との事。しかし一日会わないと彼女は人の顔を忘れてしまうと言う。かくして彼は河童の(コスプレをした)橋の下村長に「リクルート」(通称リク)という新しい名前を貰って荒川の橋の下に住むことに。しかしそこに住んでいるのは星型のかぶりものをした男やシスターの格好をしたバイオレンス大男など変人ばかり。橋の下唯一の常識人リクの華麗なる(?)ツッコミライフが今、始まる!

 あらすじはそんな所。基本は非常識な橋の下住人達にリクがツッコミを入れる形なんですが、橋の下に集まってきてる連中がそれぞれ過去に何らかの心の傷を負ってここに逃げ込んできている様子が垣間見れるのが面白い。例えばリクが「ニノさんの昔の事が知りたい」と言うと「私は今も昔も金星人だ。…それじゃだめか…?」と言う時のニノの切ない表情とか、とてもイイです。


 それにしても単行本で毎巻ラストについてるカラーページ良いなコレ。塗りがすごく綺麗だし、ちょっと詩的な内容も好み。特に3巻のカラー頁は、「現代社会からはじき出された人たちが寄り添って暮らしている」橋の下の雰囲気が出てて凄く良いです。リクが橋の下に来る前に暮らしてきた「常識的な」競争社会はこんなに鮮やかな色がついていただろうか?とか考えてしまいます。

 ともあれギャグ部分もちゃんと面白いし、時折見せるドラマ部分も良い出来。ジャケ買いとしては十二分に当たりの範疇。続巻も継続購入です。