戦争は終わった?
Lennon Legend: The Very Best Of John Lennon
- アーティスト: John Lennon
- 出版社/メーカー: Capitol
- 発売日: 1998/02/24
- メディア: CD
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IMAGINE、POWER TO THE PEOPLE、MOTHER、STARTING OVER、HAPPY XMAS…等が入ったジョン・レノンのベスト盤です。
もともと、IMAGINEとHAPPY XMAS(WAR IS OVER)が聞きたくて3年くらい前に買ったCDなんだけど、HAPPY XMASの歌詞を見て感じたことを一言。
それまでこの曲に関しての僕の知識と言えば、たまにラジオとかで聞いて「コレいいなあ」と思っていて、邦題が「戦争は終わった」という事を知っていたくらい。
なので、曲の内容も戦争が終わって幸せなクリスマスを迎える歌だと思っていた(ちなみに英語は苦手なのでヒアリング能力はゼロに近い)。
もちろん、HAPPY XMASの副題であるWAR IS OVERから「戦争は終わった」という邦題がつけられたのだろうが、きちんと聞いて・歌詞を見て・驚いて・感動した。
実際はWAR IS OVER IF YOU WANT IT(あなたたちが望めば戦争は終わる)だったのだ。
戦争は終わってなどいなかった。
内容も反戦を訴える彼の叫びだった。
歌詞の一部を抜粋すると
今宵はクリスマス
みんな 楽しんでいるかい?
近しい人たち 愛しい人たち
老いた人たち 若い人たちメリー・クリスマス
そしてハッピーニューイヤー
何の迷いも無く
今年もよい年であることを祈ろうとにかく ハッピー・クリスマス
肌の黒い人たち 白い人たち
黄色い人たち 赤い人たち
さあ
この辺で争いはやめようじゃないか!
……なんて単純な理屈だろう。
「今日はクリスマスでめでたい日だ。だから争いをやめよう。そしてこれから先、たった一年でいいから平和であることを望もう。あなたたちが望めば、戦争は終わるんだ。」
そう、一年にたった一日でいい。
一年間の平和を望む日が一年に一回でもあれば、それは永遠の平和を望む事となんら変わりがない。
そしてそれは実際の所、クリスマスだろうが1月1日だろうが構わないのだ。
本当に、なんて単純な理屈だろう。
初めてこの歌詞の意味を知った時、そのあまりの純粋さに泣いてしまったのを覚えている。
IMAGINEもそうだが、ジョン・レノンの歌詞はとてもストレートで単純だ。しかしだからこそ、誰の心の中にも抵抗無く入ってしまう。
彼は、音楽で世界を救おうとした。しかし、この世界はまだまだ争いにあふれている*1。
では、彼のやったことは無駄だっただろうか?
意味の無いことだっただろうか?
僕はそうは思わない。
きっとこの世界は、彼がいなかった場合のそれより、ずっと平和に近いだろうから。
少なくとも彼の音楽に魅せられた人達は、バカな真似をしないだろうから。
僕は信じる。
ジョンの歌よりも尚、ジョンの歌を聴いた君達を信じる。
*1:国家間紛争やテロだけじゃなく、DVやいじめも小さな(しかし当事者にとっては大きな)戦争だと僕は思う