ぎんぎつね 1巻
- 作者: 落合さより
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 112回
- この商品を含むブログ (56件) を見る
ドゥーユーライクケモノ?ノー、アイラブケモノ!
というわけで全国10万人のケモノファンの皆様こんばんは。しつこいですねすみません。
こちらも表紙買いです。
とある町の高台にある小さな稲荷神社の跡取り娘「まこと」と、その神社に棲む狐神*1「銀太郎」の物語。
神社の正当後継者である「まこと」だけが「銀太郎」を見る事が出来、彼と話す事が出来るのですが、当の銀太郎ときたら口は悪いし人を救おうというやる気も無い怠け者。その為、お節介で直情型のまことが人助けをしようと銀太郎を引っ張りまわす形でストーリーが進行します。で、アレコレ引っ張りまわされても満更でもない感じの銀太郎が可愛い、という寸法。
見所は女子高生であるまことが、ちょっとした出来事を通じて友達を増やしたり世界を広げていく所。確かに、その「ちょっとした出来事」には銀太郎の不思議な力も絡んでくるのですが、その辺はあくまでもスパイスであって、まことの町の生活や心の成長を主軸にしているようです。
また、個人的に「おっ」と思ったキャラはまことのお父さん。見た目はメガネかけてる冴えないおっさんなんですけど、まことが悩んでる時とか、要所要所で良い事言って話を引き締めてくれるんですよ。
例えば、以下の場面はとある出来事から神社から出て行ってしまった銀太郎を、まことが探している時のシーン。
銀太郎が中々見つからなくて、「もしかして銀太郎なんて初めからいなかったんじゃ…」と言いかけるまことを、お父さんが優しく窘めます。
お父さんは神社直系ではなくてムコなので銀太郎の姿が見えません。見えないけど、信じてる。信じてるから、居る。
こういう事をちゃんと言ってくれる、カッコいい大人が出てくる漫画は大好きです。
新人さんとのことですが、絵は綺麗だし、話も程よいハートウォーミング具合で実に良い感じです。
続刊も買い。
- おまけ
はてなで書表出なかったので。
この絵でピンと来れば買って損は無いかと。
あ、あと余談ですけど色の塗り方や擬音とか見てると、伊藤悠先生のアシやってた人ですかねー。なんかそれっぽい匂いがしました。
- 余談
まことのお父さんの台詞に絡んで超余談。
こういう「天上のどこかに人の世と関わり無く神様がいるのではなく、人が信じる所にこそ神様が宿る」という考え方は凄く自分のツボです。このへんはアニミズムとか日本で言う所の八百万の神々にもちょっと通じるところがあると思うのですが、要は「本当にいるかいないかは大事じゃなくて、信じる事自体が大事」って考え方ですね。
例えば「いわしの頭も信心から」って諺は皮肉の意味で使われる事が多いのですが、これって取り様によっては「他人から見ればつまらない物でも、ある人は真面目に信じる事が出来る」って意味でもあるんですよね。もちろん、いわしの頭に縋るだけで何もしないようではいけませんが、他人がつまらないと思うものでも、信じる事によって良い方向に向かうパワーが出るなら、ずいぶんと安いものじゃないですか。
いわしの頭自体は取るに足りないものだとしても、いわしの頭を信じる心は大きな力の源になり得ます。
このへんになってくると、聖書の「神は自らを助けるものを助ける」にも通じてくるのですが、あくまでも余談なので今日はこのへんで。
*1:正確には神の使い=神使、だそうです