HELLSING 10巻
- 作者: 平野耕太
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2009/03/27
- メディア: コミック
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遂に終わってしまいました。
今まで当ブログの中で感想こそ書いておりませんでしたが、本当に面白い漫画です。
絵に癖がありますし基本血まみれなので万人にオススメ出来る訳ではありませんが、ダークファンタジー+ガンアクションが好きな人でまかり間違って未読の方がおられましたら光速で本屋に走って欲しい程の傑作です。
ネタバレは避けて既読の方のみに分かる書き方をするならば、「ヘルシング」は最後まで素晴らしく「ヘルシング」でした。アーカードも、インテグラも、セラス+ベルナドットも、少佐も、ウォルターも、アンデルセンと13課の面々も、その他大勢の魂達も、全10巻という血しぶきと銃弾の狂宴を全力で駆け抜けました。彼らの個性、迫力、台詞、見得の切り方、生き方と死に方、どれをとっても特一級品の役者のそれであります。本当に素晴らしい。
以前「戦国妖孤」2巻の感想の時も書いた通り、「非人間を用いて人間性を描くというのは物語において常道中の常道」なのですが、そういう意味において「ヘルシング」という作品は徹頭徹尾「人間」を描いた物語だったんだなあ、と思います。
そういう視点に立ってみると、セラスやインテグラや少佐達が「人間性」を問う軸で、劇中の力関係では絶対強者であるアーカードは物語を押し進める狂言回しのように働いている事がわかります。
力の塊はどこまで膨れ上がっても力の塊でしかない。そこに「意志」が加わる事によってそれは初めて「何者か」になれる。
ちょっとだけネタバレになってしまいますが、してみるとアーカードは最後の最後に「人間」になれたのではないかな、なんてのはちょっとセンチに過ぎますかね。
ともあれ全くもって良い漫画でした。平野先生、10年間お疲れ様でした。
- 余談
外伝は完結させて別巻で出るんでしょうか。読みきり作品の「ガンマニア」とか「彼らの週末」あたりも収録してもらえるとファンとしては小躍りしてしまうのですが、さて。