自炊の心得(無精者編)
はてなダイアリーでこんな人気のエントリーを見かけました。
この春から自炊をする人向けの記事として非常に良くまとまっていて感心する事仕切り。自炊歴2年の私も大いに参考にさせて頂きたく思います。
で、本日はこちらにあやかって漫画をからめつつちょっとばかし自炊の心得なんぞを。
ただ、以下の内容は飽くまでも*1無精者が自炊をするためにどうするか?という記事ですので、上の記事と相反する内容もちらちら含みます。でも、だからと言ってもちろんこの記事を否定しているわけではありません。ある程度料理する腹が決まっている方にとっては上の記事は大変役に立つ事かと思います。念の為。
くどいようですが以下は「今まで大した料理も作らずに生きてきたけど、金が無いから自炊して凌ぐしかないなー。めんどくさいけどしょうがねえなー」なんて思ってる一人暮らしの無精者の為の記事です。
キーワードは「○○しない」4つの心得。ではゴー。
あしたのために その1:道具を買い揃えない
「ようしオイラも料理頑張っちゃうぞー」なんつって形から入るのもアリですが、三日坊主の性向があるナマケモノ諸兄にはオススメ出来ません。いきなり色んな道具をズラリと買い揃えたはいいが、使いこなす前に飽きてしまう自分が容易に想像できる人は、間違ってもそんな事をしてはいけません。
とりあえず包丁・まな板・フライパンを買って、後のものは「必要になったら買う」。これです。
例えば「皮むくのめんどくせえなあ→ピーラー」、「千切りマジうぜえ→スライサー(ベンリナー)」、「もっと短時間で楽にカレーとか出来ねえかな→圧力鍋」といった具合。
必要に迫られて買った物は絶対に使います。逆に「使うかどうか分からないけどあると便利かなー」レベルですと、その半分くらいは棚の肥やしと化します。自分が無精者であることを努々忘るる事なきよう。
道具揃えすぎの一例。
あしたのために その2:自炊の前に料理に挑戦しない
これ、勘違いしてる人もいるかもしれませんので一応。「自炊=自分で炊事するもの」ですから、レトルトカレーだってインスタントラーメンだって広義では自炊なわけです。要はコンビニ弁当とか外食以外の自分で作るメシ=自炊で、それなりに形・味の整ったものや人様に食べさせる為に作る食事=料理。
つまり、「自炊」もした事無い人がいきなり「料理」をしようとするから無理が出るんですよ。いわんや無精者をや。
わかりやすく漫画で言うならこういう事。
(「男爵校長」2巻より)
とりあえず「コンビニ弁当買わない」「外食しない」と言うのを基本に、まずは自炊を始めてみましょう。そのうち自分のメシを自分で作るのが当たり前になってきます。そうすれば1食大体100円〜300円程度。浮いたお金で漫画も買えるというもの。
で、時間のある時に簡単な料理を作ってみたりすれば良いのです。何も最初から凝った料理を作る必要なんてありません。まずは「作る習慣」と「作る楽しみ」を覚えるのが先決。
あしたのために その3:レシピ通りに作らない
さて、ここを読んでいる皆様の中に、まさか料理本のレシピの通りに料理を作ろうなんてえ、無精者の風上にも置けない事をしようとしている方はおりますまいな? よほど簡単な料理を除いて、料理本に載っているのは大概それなりの手間と材料がかかる、れっきとした「料理」です。
そこにある材料や調味料を揃えるだけで一苦労するよりも、レシピは飽くまでも参考程度にして、今そこにある食材と道具で「エイヤー」と作ってしまうのが無精者の嗜み。そもそも、さっきの道具の話と一緒で気負って揃えた物は使わなかったり余ったりするのが世の常。心配しなくても元が食える物ですから、多少自分なりに加工したところで大抵食えるレベルの物が出来ます。で、不味かったらそこに「必要」が生じます。「やっぱこの調味料が無いと駄目なんじゃないか」とか。後は道具の話と同じ。「必要になったら買う」。これで充分。
レシピ通りの料理を100点としたら、90点や80点でも良いんですよ。手間のかかる100点の料理に気後れして何も作れずにいるよりは、手抜きで80点の料理を作ってしまった方がいい。どうせ自分で食べるんだから。
もっと言うなら、逆に手抜きの料理を何度も作って失敗して「抜いちゃいけない手順・材料」を把握した方が、後々応用が利いたりします。
例えば、
(「天体戦士サンレッド」6巻より)
このレシピを見て「あー美味そうだなー」と思って冷蔵庫に鶏肉しかなくても、鶏肉で作ってみればいいんです。醤油が無かったら濃縮のめんつゆで作ってみるとか。
あしたのために その4:毎日ちゃんと作らない
最後に作業を軽減するための方法*2の一つとして、個人的に凄く参考になった漫画を紹介。
母親が割とマメに料理を作る方だったので、この漫画で初めて「まとめて作って小分け冷凍」という手法があるのを知りました。忙しい人や毎日包丁を握るのが面倒臭い人にはピッタリの方法です。
ウチでもタマネギ炒め、細ネギみじん切り、ニンジン(七分ゆで)は大量に作って小分け冷凍で切らさず常備。また大根、キャベツのゆでたもの、下味付けた鶏肉炒めは半常備してます。
料理じゃなくて下ごしらえ済みの素材ですから実に使いやすい。こういうのを冷凍庫に常備しておけば、平日は包丁を握らなくても済みます。生ゴミも仕込みの時以外はほとんど出ません。
レトルトカレーに入れたり、ラーメンに入れたり、雑炊に入れたり、鍋に野菜類とソーセージをぶち込んでポトフにしたり、タマネギと鶏肉を玉子でとじて速攻(インチキ)親子丼にしたり。
ただ、冷凍とはいえ無限に持つわけではないので注意。1ヶ月を目処で使うようにしましょう。
さて、こんな所でしょうか。何度もお話している通り、料理のススメではなくて自炊のススメですので誤解なきよう。
自炊で大事なのは「続ける事」と「楽しむ事」。どうせやるのなら本や道具にがんじがらめにされながら始めるより、気楽にマイペースで始めた方が長続きします。で、そのうちに料理らしきものがなんとなーく出来てきます。更に「自分にもっと美味しいものを食べさせてやりたいなあ」と思ったら、色んな本を読んだり新しい道具を買ったりして技術を高めていけば良いんです。
春から新しい生活を迎える無精者の皆様ならなおさら、4月から突然何でもかんでもやろうとしたって出来る訳がありません。諦めてのんびり行きましょう。
というわけで自炊生活2年目の癖に偉そうな事を述べてしまいました。ほんのちょっと先輩からのアドバイスと思って頂ければ幸いです。
- おまけ
色々引用した漫画のリンク、一応張っておきます。
もちろん全て面白い漫画ですので是非。
- 作者: トニーたけざき,あさりよしとお,園田健一
- 出版社/メーカー: 講談社
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男爵校長 1 (アクションコミックス アクションコミックスもえよん)
- 作者: OYSTER
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- 作者: くぼたまこと
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- 作者: スズキユカ
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兄にバレンタインチョコを渡すスズナちゃん。出来ておる。出来ておる
ショートカッター*3には特に強く一読をオススメします。