ネリヤカナヤ 1・2巻


 カッケー*1おっさんに惹かれて表紙買いしました。元は同人誌作品の水滸伝物との事。

 原典も横山版も読んだ事無いんで「水滸伝」という物語の本筋を全く知らないんですが、あとがきの筆者の言によれば豹子頭・林冲にスポットを当てて原典を翻案して再構成した物語のようです。もちろん武侠物という背骨は変わらず、悪政を良しとしない好漢達の痛快譚になっています。

 結論から言って、内容の方はかなり面白かったです。シャープな描線で描かれた人物達は魅力的だし、主人公を絞っているので話がとても分かりやすい。特に、義に篤く愚直な林冲と豪放で粗野な魯智深の凸凹コンビが実に良い味を出しております。基本的にはシリアスな歴史モノですが、所々にコメディタッチの部分があって飽きさせません。同人誌で連載してるとの事ですが、商業誌に載っていても不思議ではない程きっちり「読める」「楽しめる」作品でした。

 また、この手の絵になると皆同じような顔で判別が付かない事がままあるのですが、こちらの漫画ではそんな心配も無し。登場人物がどんどん出てくるにもかかわらず、性格・外観共に特徴をちゃんと描き分けているので混乱する事もありません。グッジョブ。


 というわけで続刊も買い。こういうシンプルに「男前」を魅せてくれる作品は好きです。

  • おまけ

 あらら、はまぞうに写真出ませんね。じゃあ折角だから表紙画像を。

 ちなみに冒頭でカッケーおっさんと言ったのは魯智深の方。ヒゲ筋肉のオッサンっていいよね。いかにも義賊といった雰囲気がまた。

 この表紙でピンと来た人は買って損なしかと。

  • もいっこおまけ

 →ネリヤカナヤ公式HP

 作者、朱鱶マサムネさんの公式HP。単行本の表紙絵もそうなんだけど、この人カラー絵がすごく巧い。特にHPの通販頁(Shop&Info)の同人誌版の表紙絵が実に良い雰囲気。これ、商業単行本でも収録してくれませんかね。もしくは画集とか。

*1:格好良い、の意