ソーダ屋のソーダさん。

「私、死んでしもうたみたいなんよ…」

 「かみさまのいうとおり!」の湖西晶センセの新刊。つっても出たの先月だったな。

 舞台は瀬戸内海の小さな島。その島唯一のお店「早田商店」(通称ソーダ屋)の店主「早田沙和」は4年前に親を亡くし、妹の「なつめ」の面倒を見ながら若くして店を切り盛りしていた。

 ある日、沙和に想いを寄せる漁師の青年「斉田光哉」がいつものようにソーダ屋を訪れると、沙和はどうにも元気が無い様子。

 斉田が沙和に「どうかしたの?」と問うと、彼女の口からは全く予想外の答えが返ってきた。


 「斉田くん、私…死んでしもうたみたいなんよ…」

 
 小さな島で起こる夏の不思議な出来事は、その一言で幕を開けた。

 あらすじはそんな所。上のあらすじだけ読むとホラーか伝奇物みたいに感じるかも知れませんが、表紙絵の通り基本的には可愛い女の子主体のコメディ+感動系のストーリー4コマ漫画です。他には女医さんの「淑子・D・ペッパー」とか斉田の事が好きな看護婦「木林レモン」とか出てきます。要は全員炭酸飲料の名前です。

 全1巻完結で、中々面白かったです。ストーリー展開、オチとも綺麗にまとまっていて自分好み。まあ強いて言うなら…


ギャルゲーのシナリオみたいだなあ、と。


 おっと新春早々ギャルゲーとか言ってはいけませんね。今年の運勢がそっち系になってしまいますよ?という事で仕切り直しましょう。強いて言うなら…


エロゲーのシナリオみたいだなあ、と。

 
 ちょっとちょっと何言ってんですか自分。これじゃあ何かこの漫画をエロゲ扱いして貶めてるみたいじゃないですか。という事で三度目の正直。


エロゲーのシナリオみたいだなあ、と(良い意味で)。


 うむ、これでよし(いいの!?)。


 まあ冗談はこのくらいにしておいて、こういう話は結構好きです。コメディとシリアスを巧い具合に繰り返しながら迎える最後の局面は割とベタながらもちょっと鼻の奥にキました。最近弱くていかんなあ。

 あと女性が使う方言(広島弁?)が非常に萌えます。「じゃけん」とか「じゃけえ」とか。

 正直この人の漫画は「かみさまのいうとおり!」しか読んだ事なかったんで下ネタ系の4コマの人という印象しかありませんでしたが、こういう感動系の話も描けるんだなー、と感心してしまいました*1


 表紙買いでしたが十二分に当たりの範疇。また機会があったらこの人のこういう話読んでみたいなあ。


  • 余談

 蒸し返すようでアレですけど、ホントにギャルゲーっぽいんですよコレ。いやいやギャルゲーなんてやった事ないんですけどね。

 孤島が舞台だし。モブキャラ以外の男性は斉田君のみで、あとは皆女性キャラだし。女医さんは白衣巨乳ハーフだし。妹(なつめ)はツインテールツンデレだし。でもって斉田君モテモテだし。

 まさに「それなんてエ(略)?」状態ですよ。

 そうすると漫画のラストはまさにトゥルーエンドなんでしょうなあ。後は沙和さんの通常エンドとなつめちゃん、淑子さん(女医)、木林の4ルートがあって、バッドエンドは早田姉妹がある日突然いなくなって、とか。んー、そうするとちょっとボリューム不足かなー。じゃあ漫画の中には無口っ子がいないんで神社の巫女さん(黒髪ロングで無口)あたりを隠れキャラで入れて、特定の日時に港に行くとその娘の自殺未遂(勘違い)イベントが発生してルートに入れるようになって…


 いやいやギャルゲーなんてやった事ないんですけどね。

  • 余談2

 あと表紙折り返しのジョジョネタは反則。吹いたわ。


 

*1:実際は「かみさまのいうとおり」でも所々にそういう兆候は見られますが、メインは萌えキャラによる下ネタコメディなので(無論褒め言葉)