戦国戦術戦記 LOBOS(ろぼす) 1巻


「――今は昔――
戦が世を動かした そのただ中において
己が腕のみを頼み 主を持たず
いずこなりとも加勢せし 傭兵集団があった

―その名を『ろう』という」

戦国戦術戦記 LOBOS(1) (シリウスKC)

戦国戦術戦記 LOBOS(1) (シリウスKC)

 シリウスで1回だけ読んで面白かったんで単行本出たら買おうと思ってた漫画。やっと出たので早速読了。

 時は戦国。主人公「市蔵」は一騎当千の強者が集う傭兵集団『狼』に所属する若者。彼の元にやってくるのはいつも奇妙な依頼や無茶な依頼ばかり。

「次期当主の跡目を決める試合に出場し、わざと負けよ」
「千人の敵に囲まれ火を掛けられた砦から味方の兵達を逃がせ」
「軍勢の通り道にある小さな村を略奪から守るため、進軍をたった一人で止めよ」――

 いかに並外れた体術と智略を持つ「狼」の一員といえど、果たして市蔵は逆境をひっくり返し、依頼を完遂する事が出来るのか?

 否!その能力を持った者こそが「狼」なのだ!

 戦国戦術絵巻、ここに開幕!

 あらすじはそんな所。

 アクションの部分と智略の部分が良いバランスで描かれていて、中々に面白い。描きたいポイントを絞り、各章を1〜2話程度でまとめるという構成もグッド。また、各章の依頼主達の生き様が物語に熱を加えていて、そこらへんが燃え所になってます。

 ぶっちゃけて言っちゃうと「墨攻」みたいな話なんだけど、こういうお話は好き。逆境をどうやってひっくり返すのか、次はどんな手が飛び出すのか、読んでてワクワクします。また構図の取り方とか話の展開も分かりやすく、読んでて「?」という事がありません。作者さんは新人との事ですが、丁寧に描かれていて好感が持てます。

 異能の力とかトンデモ忍術とかが出てこないのも良いですね。ああいうのが出てくるとすぐにバトルマンガになっちゃうからなー*1


 今後の展開に期待。続巻も買いです。

*1:それはそれで面白いんだけど