漫画ナツ100(その2)
というわけで昨日の続きゴー。
<ジャンル:痛快・爽快な漫画>時間を忘れて漫画世界に浸れる作品を集めました。
・あまいぞ!男吾(Moo.念平)
コロコロに載ってたドタバタ+人情物の学園ストーリー。主人公の男吾を始め、漫画全編がとにかく元気満点。爽やかな読後感の良作です。
・王ドロボウJING(熊倉裕一)
何でも盗む快盗を描いたアクション物。アメコミ調のディフォルメと陰影を強調した絵は美麗の一言。絵を眺めているだけで楽しい良作です。
・おまかせ!ピース電器店(能田達規)
発明家一家の電器店を軸に描かれるコメディ漫画。作品全体がとにかく楽しい雰囲気で、読後に「あー面白い漫画読んだなー」と思える傑作です。
・光路郎(村枝賢一)
「RED」は知名度高いんで敢えてこちらを。暖かい話が多い型破り教師物。村枝漫画の底に流れるアツさと優しさの原点がここにあります。
・シャカリキ!(曽田正人)
夏って事で敢えて暑苦しい漫画を。自転車レースに燃える高校生達を描いた、異常にアツい名作です。コレで燃えなくてどーするよ男の子!
・週間石川雅之(石川雅之)
「もやしもん」が面白いのは、この人がこれだけ多い引き出しを持ってるからだと確信できる短編集。全10編、どれも退屈させません。
・湘南爆走族(吉田聡)
不良漫画の永遠の金字塔。ギャグ漫画としても最高に面白いし、青春物としても素晴らしい出来。完全版も出始めたし、集めるなら今でしょ。
・ディアスポリス( すぎむらしんいち/リチャード・ウー)
松田優作の「探偵物語」風の刑事物。コメディとシリアスのバランスが絶妙で、グイグイと物語の中に引き込まれてしまう。
・DearMonkey西遊記(白井三二朗)
文句無く面白い冒険活劇。こんなに熱い西遊記は見たこと無い。「ジョバレ」の頃は単純に絵買いだったけど、本作で化けたねこの人。
・へうげもの(山田芳裕)
数寄者(茶器等を好む趣味の人)を主人公に描かれる、一風変わった戦国時代物。生き生きと描かれた武将達がとにかく痛快。漫画の面白さここにあり。
・要塞学園(ヒロモト森一/鳴海丈)
勢いのある描写、勢いのあるキャラ、勢いのある物語。全7巻脳髄痺れっぱなしのマンガドラッグ。頭の栓をカッ飛ばしたい時に読め。
・ワイルド7(望月三起也)
無法者には無法者を!凶悪犯罪者を処刑する破天荒な特殊警察を描いたアクション物。緻密なストーリーと個性溢れるキャラは30年経った今でも色褪せません。
<ジャンル:メカ・SF漫画>ロボットやSFが大好きな大きな男の子にはコレ。
・UNDER THE GUNDAM(うしだゆうじ)
「MJ(模型情報)」に連載されてた激熱ガンダム漫画。連載版のラストが好きで、未だに掲載誌持ってます。
・EATER(うすね正俊)
地球にやってきた異星人達のバトルアクション。銃器+クリーチャーの描写が凄い。続編読みたいなあ。
・銃夢(木城ゆきと)
サイボーグの少女「ガリィ」が主人公の近未来バトルアクション。とにかくアクション描写と緻密な設定が凄い!
・空想科学エジソン (カサハラテツロー)
「ライドバック」のカサハラテツローが贈るSF冒険活劇。ギミックとかガジェットといった言葉に反応するメカオタには堪らない漫画です。
・鉄のラインバレル (清水栄一/下口智裕)
ロボット!メカ!少年少女!熱血!あと何が必要なの?小難しい事は夜空の彼方にぶっ飛ばして、王道ロボットアクションを楽しみましょう。
・TACHYON FINK(樹崎聖)
バイオテクノロジーとか科学用語を盛り込んだSF短編。全1巻で綺麗にまとまってる良作。
・電人ファウスト(上山徹郎)
ロボットに狙われる少女と、彼女を守護するサイボーグの物語。敵味方含めてメカデザインが非常にグッドです。
・東京クレーターのアカリ(磯本つよし)
明るい主人公、魅力的なメカ、後味の良いストーリー。これだけ揃ってるのに余り知られて無い作品。読んどいて損は無いよ。
<ジャンル:考えさせられる漫画>時間のある夏休み、これらを読んで思索に耽ってみては?
・ありがとう(山本直樹)
冒頭からレイプシーン。山本直樹のダークサイド本領発揮の鬱漫画。しかし嫌悪感だけでなく、暴力と家族のあり方について考えさせられる作品。
・イキガミ(間瀬元朗)
国家からランダムで配布されるイキガミ(逝き紙)を受け取った人は24時間以内に死ぬ。罪も無いのに死を宣告された人々の最後の一日を描く人間ドラマ。
・ICHIGO−二都物語−(六田登)
戦後の高度成長期を舞台に、一期(いちご)という殺人鬼を描いた作品。重くて暗いけど、六田作品では一番好き。
・ザ・ワールド・イズ・マイン(新井英樹)
圧倒的な暴力描写。その裏側に隠された「愛すべき世界」への渇望。流れる血を慟哭の涙に置き換えた時、この漫画の見え方は反転する。
・シートン(谷口ジロー)
良い原作を良い漫画家が描くとこうなる、という好例。特に1巻の「狼王ロボ」は少年時代に読むのにふさわしい定番の名作。
・絶望に効くクスリ (山田玲司)
山田玲司が絶望の日本を救う為に色々な人に話を聞くノンフィクション対談物。出てくる人出てくる人、皆良い事言うんだコレが。マジで元気出る漫画です。
・忍者武芸帳(白土三平)
物語の面白さ、深さともに一級品。カッコ良さと哀しさが同居した忍者の魅力溢れる傑作です。
・リバーズ・エッジ (岡崎京子)
川に近い町に住む高校生の少年少女達。ちょっとずつ狂った歯車は、やがて悲劇の連鎖を生む。痛くて重いのに、物語の底に流れる優しさが沁みる名作。
<ジャンル:アクション漫画>銃や肉弾戦はもちろん、あんなものまでアクションに?
・いばらの王(岩原裕二)
孤島からの脱出劇を描いたホラーアクション物。B級映画的になってしまった後半がちと残念だが、全体的に見れば良く出来たエンターテインメント作品。
・GUN SMITH CATS (園田健一)
銃器工(ガンスミス)の二人の女性を主人公にしたアクション物。映画のような展開と魅力的なキャラで読ませるガンアクションの傑作。
・攻殻機動隊(士郎正宗)
TVアニメも映画も面白いけど、原作世界の濃さは異常。未読の人は近未来サイバーアクションの原点にして頂点を是非。
・シグルイ(山口貴由/南條範夫)
臓物飛び交う残酷無残チャンバラ劇。しかしそこから見え隠れする彼らの狂気に等しい情熱は読者の心臓を灼きつくす。喝を入れたい人は読むが吉。
・ジャバウォッキー(久正人)
何?トンデモ学説を交えた痛快なバディ・アクションが読みたい?ならばジャバウォッキーを読め。絵に抵抗が無いなら、そこは既に約束の地だ。
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「エリア88」が去年ランクインしてるんでこちらを。女性ばかりの傭兵部隊を描いたアクション作品。ラストのどんでん返しは素でびっくりしました。
・TRIGUN /TRIGUN MAXIMUM(内藤泰弘)
西部劇の荒野に似た未来の植民地星を舞台にした超絶ガンアクション。ハッタリの効いた構図で目を引き、テーマ性で心を引き込む素晴らしい出来。カッコいいガンマンを見たければコレははずせない。
・ドロヘドロ(林田球)
血しぶき溢れるアクションとコミカルな部分が産み出す独特のドロヘドロ世界。主人公じゃないけど、煙ファミリーが異常に良い味出てます。
・鋼の錬金術師(荒川弘)
言わずと知れた大ヒット冒険活劇。意外にも前回のナツ100で入ってなかったんで一応上げときます。完成度が高い良作。読んで損なし。
・バガボンド(井上雄彦)
チャンバラですね。哲学っぽい所もあるけど、詰まる所チャンバラ好きなんですよ。どいつもこいつも。良い仕事してます。
・ハチワンダイバー (柴田ヨクサル)
将棋なのにアクション扱い?そんな馬鹿な!と思った人は百聞は一読に如かず。こんなに血沸き肉踊る将棋漫画は初めてだ!
・Pumpkin Scissors(岩永亮太郎)
大戦後、戦災という名の戦争を戦う部隊を描いたアクション物。キャラの魅力もテーマ性も良く出来ていて新人とは思えない完成度。
・ブラック・ラグーン(広江礼威)
東シナ海の現代の海賊を描いたガンアクション物。セリフ回しもストーリーも俺のツボ直撃。特に双子編の完成度はピカイチ。キャラ的には地獄メイドのロベルタちんが最高です。
・無限の住人(沙村広明)
トンデモ武器が出てきたり見開きで見得を切った殺陣を見せてくれたりする素敵なチャンバラ漫画。最近失速気味なのがファンとしてはちと辛い。
<ジャンル:物語が面白い漫画>ストーリーが秀逸な作品を集めました。
・栄光なき天才たち (森田信吾/伊藤智義)
不遇の天才を描いた連作。「才能だけでは天才にはなれない。情熱を失わなかった者だけが才能を開花させる資格を得る」という真っ直ぐなテーマが清清しい。
・王道の狗(安彦良和)
「王道」を行く主人公と「覇道」を行くライバルを描いた骨太な作品。全4巻とは思えない圧倒的な濃さ。漫画の面白さが詰まった良作です。
・俺節(土田世紀)
歌手を目指す男を描いた漫画。頭の天辺からつま先までアツい連中が織り成す物語は読者の心もアツくする。
・サンクチュアリ(史村翔/池上遼一)
漢前(おとこまえ)を描くのはこの二人のお家芸。加えてこの作品は物語性、テーマ性ともに高い水準でまとまってる傑作です。
・鉄コン筋クリート (松本大洋)
架空の町「宝町」を縦横無尽に飛び回る少年「シロ」と「クロ」の物語。ある普遍的なテーマを幻想的な物語に乗せた名作。
・茄子(黒田硫黄)
茄子をテーマにした連作。どの話も物語の面白さにあふれかえってます。黒田入門には最適の全3巻。
・なつのロケット(あさりよしとお)
ナツ100といって最初に思いついたのがコレ。かけがえのない少年時代の夏を閉じ込めた名作です。
・人魚の傷/人魚の森(高橋留美子)
高橋留美子作品でめぞん一刻の次に好きなのがこの人魚シリーズ。怖い中にも人間の哀しさが伝わってくる名作です。
・パイナップルARMY (浦沢直樹/工藤かずや)
元傭兵の戦闘インストラクターが主人公のアクション物。浦沢お得意のちょっといい話を織り込んだ名編ぞろいの良作。キートン好きならこっちも読んどけ。
・ヤマタイカ(星野之宣)
邪馬台国のルーツを探る伝奇物。この人のストーリーテリングの巧さは異常。全6巻なんて微塵も感じさせないで一気に読んでしまいます。
・山猫の夏(柳澤一明/船戸与一)
ある南米の町に「山猫」と名乗る男が現れた。その日から平凡な生活を送っていた主人公は凄絶な抗争に巻き込まれていく。主人公が男らしくなっていく様がカッコイイ快作。
<ジャンル:暖かい漫画>素晴らしい読後感の漫画を集めました。優しくて暖かい名作ばかりです
・アタゴオル物語(ますむらひろし)
幻想的で暖かい世界を描いた極上のファンタジー。宮沢賢治しかり、こういう空気を出せるのは何故か皆東北出身者だったりする。
・岳(石塚真一)
山岳救助に従事する主人公を軸に、山の魅力と怖さをリアルに描く物語。山と人間が大好きな作者が、漫画という表現手段を持っている事に素直に感謝したい。
・金魚屋古書店(芳崎せいむ)
漫画好きを描きながらも単なる薀蓄漫画にしないで、人情あふれる暖かい話を描くのが素晴らしい。前作「金魚屋古書店出納帳」も是非。
・神戸在住(木村紺)
神戸に住む大学生達を描いた作品。基本は癒し系の暖かいお話なんだけど、たまに刺さるようなキツい話が入る。それがまた良い出来だから堪らない。
・死神くん(えんどコイチ)
いつも命令違反を繰り返す優しい死神を主人公に、一話完結方式で描かれる心温まる物語の数々。何度読んでも泣けます。
・少女・ネム(木崎ひろすけ/カリブ・マーレイ)
登場人物は皆ネコ型人間。漫画家を目指す少女ネムの物語。どこか幻想的な絵が非常に好きでした。作者夭折の為未完。
・スケッチブック(小箱とたん)
高校の美術部を舞台にした癒し系4コマ。葉月の所帯じみたネタがツボ。おでこちゃん好きだしな。
・菫画報(小原槇司)
高校の新聞部を舞台にした学園コメディ。小原槇司のどこかレトロな魅力のある作風は、ハマる人にはたまらない。
・だって愛してる(むんこ)
凸凹夫婦の生活を描いた4コマ漫画。誰かに想われる事、誰かを想う事…そんな「日常の暖かさ」をしっかり描いた感涙必至の名作。万人にオススメできます。
・ディーン・ティーン(川野ゆーヘー)
元いじめられっ子の主人公を描いた、マイナーだけど非常にアツい漫画。ラストシーンで心が震えない奴は男の子なんてやめちまえ。
・Dr.クマひげ(ながやす巧/史村翔)
泣ける良い話てんこ盛りの町医者物。ちょっと古いけど、探して買っても損は無い名作です。
・働きマン(安野モヨコ)
色々な働きマン(サラリーマン)を描いた漫画。読後に働く気力が沸いてくるのは、作者が働くという事を真摯に描いているからに他ならない。
・はれた日は学校を休んで(西原理恵子)
思春期の悩みや寂しさを叙情的に描いた短編集。読んでいるとあの頃の気持ちを思い出して、寂しくも暖かい気持ちになれる名作。
・プー一族(大橋ツヨシ)
無職(プー)の4人を描いた4コマ作品。大橋ツヨシ独特の「つまはじき者の暖かさ」を裏側に隠したコメディは、最後に感動のラストを迎える。
・ふたつのスピカ(柳沼行)
宇宙飛行士を目指す少年少女を描いた作品。どこか懐かしくて暖かい良い話に単純に泣けます。
・南くんの恋人(内田春菊)
南君の彼女「ちよみ」が突然小さくなっちゃった!ドラマ化して知ってる人もいるでしょうけど、ラストはマジ泣き必至です。
・もっけ(熊倉隆敏)
色々な物の怪(もっけ)を小道具に、静流と瑞生の成長に軸足を置いて描かれた本作。彼女達が悩みながらも真っ直ぐに成長する様が見ていて気持ち良い良作です。
以上、全100作品。
つーかーれーたー。こうなるの分かっててコメントとかジャンル分けとかしちゃうんだよなあ。自分の好みでしかないけど、やっぱ面白いと思った漫画は出来るだけ多くの人に読んで欲しいもんなー。もともと日々の漫画感想、ひいてはこのブログ自体の背骨がソレだしな。
100作品一覧と好きなキャラ10、それから集計用ページは明日UPします。
オヤスミナサーイ。