ジャバウォッキー 1・2巻

 

ジャバウォッキー(1) (マガジンZKC)

ジャバウォッキー(1) (マガジンZKC)

 
ジャバウォッキー(2) (マガジンZKC)

ジャバウォッキー(2) (マガジンZKC)


 「…化けたねえ、久正人


 読後に思わずそう呟いてしまった。作者は以前「グレイトフルデッド」っていうキョンシー退治アクション物を描いてた人で、陰影を強調したアメコミっぽい絵とかトンデモ設定なんかはその頃からの芸風なんだけど、前作に比べてずいぶん読みやすくなっている。極力ベタとハイライトで描く、分かりやすく言えば「シン・シティ」みたいな絵柄ってのは物凄くセンスの必要な描き方で、前作ではまだこなれていなかったせいか絵が「読み」づらかった事もあったのだけれど、今作ではそれがずいぶん整理されて分かりやすくなった*1

 加えてストーリーの構成も巧くなってるようで、本当は昨日寝る前に冒頭だけパラ読みするつもりだったのに、1・2巻をつい2回通しで読んでしまった。

 でもこの人、絵も展開も独特の芸風なので一般受けはしないだろうなあ。もちろん「萌え〜」とか皆無だし。


 理屈じゃなくて肌で感じるタイプの漫画なんで、今回はあらすじは書かずにキーワードだけで。

 19世紀末!トンデモ学説!葉巻を吸う直立恐竜!セクシーな女諜報員!任務!ガンアクション!ハードボイルド!岩窟王!ニコラ・テスラ坂本龍馬!etcetc!を一つの鍋にぶち込むと出来上がるもの…

 それがジャバウォッキー!!

 「アホか」と思う人は回れ右。
 あの表紙絵と上記のキーワードが琴線にひっかかっちゃった御仁は、ぜひ御一読を。

 ああ、もちろん歴史上のウソを楽しめる人限定です。

*1:もちろん単に「慣れた」ってのもあるが