鏡の法則って…面白!


 *ムカつくからはまぞうリンクは張りません。


 あれから随分経ちましたが、結構売れてるみたいですねー、鏡の法則。今日本屋で見たら60万部突破とかオビに書いてありました。

 いやいやいや、バッカじゃねえの?マジで。


 まだ正月も来てねえっつうのにおめでてえにも程がある。


 何言ってんだかわかんない人は過去記事参照の事。

「鏡の法則について第一回」
「鏡の法則について第二回」
関連雑記「転回論について」

 

 なんか最近「鏡の法則+感想」で飛んでくる人が多いと思ったら、7/2の記事がヤフー検索で3番目になってやんの。いや、アクセス数が増える事自体は嬉しいんですけど、なんか複雑な気分…。もしかして「ナニ偉そうな事書いてんのコイツ?死ねば?五回くらい。今日中に。」とか笑われてたらどうしよう…。

 まーいっか。ブログ書いてること自体が恥さらしてるようなモンだからな。


 はいはい、じゃーねえ、今日はついでにもう一つ恥をかいてみようか。

 こういう、ベストセラーになる「生き方マニュアル本」っていつの時代でも廃れませんよねえ。「チーズはどこへ消えた」とか「金持ち父さん」とか「鏡の法則」とか。新しい法則が出来ては消え、出来ては消えていく。こういう本って「これが成功者の秘訣!」「ココロが楽になる生き方」「自分らしく生きるために」「読んだ人の90%が泣いた(笑)」とかオビに謳って売ってるのに、いまだスタンダードなものが出てこない。つまり「絶対の解答」もしくは「道に迷ったらコレを読め」的な、万人の支持を長期的に得る本が出てこない。

 何故か?

 正直に言ってしまおう。そんなところに本当の答えは無いからだ。もちろん、筆者にはそれなりの理論があるだろう。実際にその本で救われた人もいるだろう。しかし、それは万人に当てはまるものではない。鏡の法則にしたって、60万部売れたからといって60万人の人間の助けになったとは思えない(当たり前だが)。あたかも万能薬のように売っていながら、それは万能ではない。それは、人それぞれ性格も周囲の状況も違うのだから当たり前の話だ。

 では何故売れるのか?

 あいだみつおの話の時も似たような事を書いたが、世の中「傷つきたがり」「悩みたがり」が多いからだ。「僕は傷ついているんだ」「私は悩んでいるの」という事をアピールせんが為に、こういう本を買い漁っては「この本を読んで救われました!」とか「ふうっと癒されました」とか繰り返してる。*1

 おいおい、たいがいウロコ付き過ぎだろアンタの目。

 結局、彼ら彼女らにとっては悩む事も本を読んで解決する事もエンターテインメントの一つでしかないわけ。もうね、よっぽどヒマなんだろうね、人生が。だから「真面目に生きてる・考えてる」振りをするために、こういう本を読んでは、本当の意味も噛み砕いて腹に落とし込まないまま、平気でブログや口コミで宣伝するわけです。


 「泣いたよ!」
 「すごいよ!」
 「目ウロコだよ!」って


 違うでしょ?

 あなたが本当に見なければいけないのは「鏡の法則」じゃないでしょ?

 あなたが本当に見なければいけないのは「鏡」でしょ?

 自分の責任、自分の考え、自分の義務、自分の子供、自分の人生、自分の姿。
 くだらない人生マニュアル本を読んで、一番恐ろしい物――本当に立ち向かうべき自分の状況――から目を逸らしてる場合じゃないですよ。
 「人生の問題を解決する魔法の知恵!」なんて妄言に惑わされてる場合じゃないですよ。

 それとも、子供が、親が、周りの人間が、マニュアル本からそのまま借りてきたような手法や言葉に心動かされると本気で思ってるんですか?
 
 それよりも、あなたが自分で考えた、あなたの心の底から出た言葉の方が何倍も何十倍も相手に響く。
 そして相手も、本の一節ではなく、たとえそれがどんなものであれ「あなたの」言葉を聞きたいのだ。

 相手の事を尊重するならば、大事に思っているならば、愛しているならば、少なくともそうしなければ相手に対して失礼ではないか。


 心のこもらない、どこかで借りてきたような、自分自身を守る為に発せられた言葉達。
 それがどれだけ相手を傷つけるのか、
 それがどれだけ「あなたを愛している人」を傷つけるのか、
 もう一度、よく考えて欲しい。

*1:本当に悩んでいる人、傷ついている人は別。そういう人を非難しているわけではありません。念のため