コミック星新一
- 作者: 星新一,志村貴子,小田ひで次
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2003/06/01
- メディア: コミック
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- 作者: 星新一
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2004/07/15
- メディア: コミック
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中高生の頃に誰もが一度は読んだであろう星新一の短編を漫画化した作品集。短編ごとに色んな漫画家が描いているが、大幅なアレンジ(ストーリーを変える・解釈を変える)はされていないので、星新一の世界を懐かしく思い出しつつも新しい映像*1で覗き見る事が出来る。
以下、特に出色の出来の作品。
「午後の恐竜」収録
・神様の命令で魂の取り合いをする天使達の話。「天使考」
・各地に突然現れた古代生物の幻。しかもそれらはどんどん進化してゆき…。「午後の恐竜」
・長い間人類の夢だった完全に平和な世界。それを保つ秘密とは。「生活維持省」
・一度だけ何でも願いを叶える箱。すぐに使うのは…もったいないよね?「箱」
「空への門」収録
・異なった道で宇宙を目指す3人の少年少女。大人になって宇宙に行けたのは…。「空への門」
・小さな悪魔を捕まえた夫婦。彼らは死なない事だけがとりえの悪魔を苛め始めるが。「鏡」
・処刑道具の「喋る銀の玉」と一緒に流刑星に送り込まれた男は何を想うか。「処刑」
・ロボットだけがいる星。やがて彼らは宇宙船を作り、ある星を目指す。「宿命」
星新一の作品ってのはユーモアだったり風刺だったり純粋なSFだったりするわけだが、とにかくその構成が秀逸。オチで大笑いさせられたり、膝を叩いたり、じわっと暖かくなったり。間違いなく魔法使いだよこの人。
そんな星新一の作品を漫画という非常にイメージしやすい形で*2読めるこのシリーズは実に素晴らしい。
毎年夏休みが始まる頃に出してほしいなあ。で、ぜひ子供達に読んでほしい。自信を持ってオススメできる良作です。
- 余談
じゃあ原作を読んだ方が良いんじゃない?なんて野暮はいいっこなし。こういう所から原作の方に入っていけばいいんです。
- 余談2
誰か「胸の穴」描いてくれないかなあ。あの話大好きなんだよ。「胸の穴」つながりで岩明均がいいな。