マイベストジャケット!

A Peacetime Boom

A Peacetime Boom

 なのにアマゾンにもジャケット写真がない…。
仕方ないのでここで。
 写真の雰囲気、文字のバランス、物語性、どれをとってもこれ以上のジャケットは正直見たことがない。
 まず写真。振り返った子供の目がCDを手に取った人を射抜く。笑顔でも怒っている訳でもなく、ただジッと振り返る目。洋の東西を問わず、子供のまっすぐな目というのはとても強い力がある。
 そして文字。一見モノクロだがタイトル名のA Peacetime Boomの部分だけ遠目ではわからないくらい緑がかっている芸の細かさ。目立ち過ぎない書体も良い。
 最後に物語性。実は、ジャケット表の宮沢の背中には芝生の葉っぱが付いている。またジャケット裏の写真*1では彼が子供にギターを弾いている。つまりこのジャケットは、公園の芝生の上で昼寝をして、子供に歌を聞かせて、帰っていく宮沢の後姿なのだ。
 そう考えると振り返る子供の目は、「どうだった?」に見えてくる。実は公園で宮沢(BOOM)の歌を聞いていたのは子供だけでなく、自分もまたそこにいたという筋書きだ。つまりカメラの視点=あなたの視点であり、CDを聞き終わって歌詞カードを閉じたあなたに「じゃあ帰るね。どうだった?」と尋ねるのだ。
 それに対してBOOMの歌にやられてしまった人はこう答えるしかない。
 「また明日も来るよ!」と。

*1:CDの裏ではなくて、冊子の裏。