恋愛ラボ 3巻
- 作者: 宮原るり
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2009/07/07
- メディア: コミック
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生徒会兼恋愛研究部(=
それにしてもずいぶん早いなあと思って奥付見たら、まんがホーム本誌+きららキャラットのダブル連載に加えて、その他芳文社4コマ誌でのゲスト掲載分もまとめて今巻1冊分になっているとの事。芳文社さんの入れ込み具合は推して知るべしであります。
で、そんなハードスケジュールの中でも質が落ちるどころか、ぐいぐい面白くなって来てるのが宮原センセの凄い所。今巻も思う存分笑わせて頂き、また芽生え始めた仄かなラブ分に軽く悶えました。あーもーいいわあコレ。
おまけに今巻では宮原漫画の真骨頂である「人と人の絆」を丁寧に描いたエピソードがあって、相当にやられました。つーか正直、落涙に及びました。この5人娘、本っっ当に良い子達です。
今巻では2巻に引き続き、新聞同好会の2人に生徒会の裏の顔=恋愛研究会がばれそうになる話*1と、それに関連してサヨが生徒会から脱退しそうになる話。
更に、学習塾を舞台にしたマキ+リコのほんのちょっとのラブ話を織り交ぜてあって、「恋愛」の方でも抜かりは無し。しかも芽が出ているか出ていないかの、恋愛の最初の最初の段階を描いていて、これがもう恥ずかしいやらくすぐったいやら。特にリコの反応が可愛くて堪りません。
さて、そんな中で今巻で一番良かったのは、サヨの生徒会辞任を巡る一連のお話。ネタバレ防止のため詳細は省きますが、巧いなあと思った事がひとつ。それは、この事件に関して、サヨ以外の4人娘達の反応がそれぞれ違っていて、そのどれもがちゃんと「腑に落ちる」描写になっていた事。
サヨが生徒会を辞める事になりそうという状況を受けて、サヨ以外の4人の反応は
・興奮して泣いて、教師に抗議しようとするユイ
・サヨの真意を汲み取って策を練り始めるマキとリコ
・辞めて欲しくないという思いを真っ直ぐにぶつけるスズ
と、それぞれバラバラなわけですが、決してどれかが「正しい」って訳じゃなくて、そのどれもが「その娘なりの良い所」の表れとして描かれているんですよ。それがいい。
しかもそれが、今までの4コマの中でちょっとずつ描かれてきた彼女達の性格・性向と何ら食い違うものでないから、読んでて一層気持ちが良いです。言い換えるなら、これまで積み重ねてきた人物描写からして、例えばエノなら「ああ、そっか。ユイはこういう反応するよな。やっぱ良い子だよなあ」って自然に思える展開になっています。
そして結局、改めてこの面々全員に惚れ直す事に相成ってしまうのであります。ああんもう、可愛すぎますよこの娘たち。
というわけで引き続き大プッシュでございます。
コメディとしての質を十二分に満たしつつ、友達になっていくという事を丁寧に描いた極めて良質な学園物。読後に「良い漫画読んだなあ」と素直に思える作品です。
- ほんのちょっとネタバレ余談(反転します)
サヨの辞任を巡るエピソードで、4人の反応については上に書いた通りなんですが、実はサヨ自身の反応がこれまたイイ。
というのも、他ならぬサヨ自身も、生徒会の4人の事が好きだったからこそ、敢えてあっさり辞任を受け入れようとしたわけで。これね、当初の「お金とユイの事しか考えてないサヨ」だったら考えられない反応なんですよ。
前回も書きましたが、生徒会の面々に触れて彼女が徐々に変化していく様子が個人的に凄くツボです。
生徒会の4人が好きだからこそ平静を装って辞任しようとしたサヨの優しさと、それを良い意味で「台無し」にしてしまう4人の優しさ。それぞれ異なりつつもそれぞれが正しい、5人の「優しさのカタチ」に、思わずホロリと来るエピソードでした。
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*1:補足説明:舞台となる藤崎女子中学はお嬢様学校の為か、異性との交際は禁止。つまり生徒の模範であるべき生徒会で恋愛研究をやっているというのは、学校側からすれば言語道断。