猫神やおよろず 1巻

猫神やおよろず 1 (チャンピオンREDコミックス)

猫神やおよろず 1 (チャンピオンREDコミックス)

 猫と聞いて表紙買い。とある町の骨董屋に居候する猫神「繭」と、その骨董屋を経営する女の子「柚子」を中心に、色々な神様が登場する1話完結型のご近所ファンタジーコメディ。ちなみに出てくる神様のほとんどが女の子なのは仕様です。「儂」とか「〜じゃのう」とかジジイ言葉で喋る女の子はやっぱり可愛いですねえ。

 ただ、設定や表紙の絵からもっと萌え寄りの作品かと思ってたらさにあらず。1話完結の縛りのお陰で、単なるゆるゆるコメディではなくて、きちんと毎話ごとにお話のヤマとオチがあってテンポ良く読めます。時折入る「ちょっとイイ話」系のシナリオもツボ。


 人間の「柚子」が死別した両親に代わり店の暖簾を守るしっかり者なのに対し、神様の「繭」が日がな一日ゲームばかりしてるぐうたら者で柚子に頭が上がらない、という逆転のギャップが面白い。でも神様だけあって決める時はバシッと決めます。そういう強弱がまさに猫っぽくてステキ。



 主人公以外のキャラではロリ系貧乏神の「しゃも」が良かったです。

乏神だから乳。まっこと理にかなったナイス貧乳である。ちなみに右コマで縫い物をしているのが柚子。素直で働き者の良い娘さんです。



 シナリオ的には、柚子の過去と柚子に対する繭の想いを垣間見る事が出来る、夢喰いの聖獣「獏」の話がしんみりして実に良い。

 

 右が猫神の「繭」、左が獏の化身「夕楽々(ゆらら)」。

 普段は柚子に甘えっぱなしで怠け者の繭が、実はいかに柚子を大切に思っているのがわかるお話。こういうの好きです。



 萌え系に見せかけて、実は結構芯の通った面白さがありました。続刊も買い。