奇食ハンター 1巻
「ナゼだ…ナゼ納豆を入れる…?」
- 作者: 山本マサユキ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/02/06
- メディア: コミック
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「ガタピシ車で行こう!!」の山本マサユキ先生の最新刊。この作者の、どこか牧歌的というか柔らかい線の絵は好き。一見なんでもない線なのに、特に女の子が妙に色気がある。わかる人にはわかると思いますが、吉田戦車の描く女性に感じるエロさと同種の物を感じます。
内容の方は中々に面白かったです。非常に激しく車ラブの人なので「車漫画以外のものは描けないんじゃないの」と思ってたけど、どうやらそうでもない様子。「ガタピシ」の方が作者自身を含む車バカ達の生態に対して自虐と愛情を込めてツッコミを入れる形式のものだったので、車を奇食に置き換えてみれば、なるほど成立する漫画だと思います。キモは「おかしなもの」に対してどこまで面白おかしくツッコミを入れられるか、つまり客観性の能力値ですから。そういう意味において、山本先生はカラスヤサトシ先生とか鈴木みそ先生に近いスタイルの漫画が元々向いていたようです。
そう考えると、ネット界隈で「孤独のグルメ」や「極道めし」のようなB級グルメが注目されている現在、この作者に奇食のレビュー漫画を描かせるというのはきちんと計算されて出てきた答えのように見えます。やりおるのう講談の編集。
また、この漫画に惹かれるのは自分にとっての地元シンクロ率が非常に高い事。正確には数えてませんが、静岡・愛知・三重率が随分高い気がします。作中にも出てきましたが、名古屋には日本一の「山」がありますからね*1。あの店が奇食の震源地にでもなってるんじゃないでしょうか。自分も随分前に一度だけ行った事がありますが、フツーのスパゲティを頼むというヘタレっぷり。それでもヤケクソ感あふるる素晴らしい量でしたが…。
ちなみに一番上の台詞は第16話で「納豆コーヒーゼリーサンド」を食べる前の山本先生の怨嗟の声。第2話の「白ごま納豆パフェ」然り、奇食といえば納豆入りなんでしょうか*2。
漫画の方はレビュー漫画としてきちんと面白い良作。続刊も買いです。