FMJ

*今日は内容上汚い言葉を含むので苦手な方は回れ右。

 Q:「シャーリー」と言えば?

 ①14歳黒髪メイドを描いた「変なスイッチ」が入るマンガ
 ②シャーリーテンプル…カクテルの?
 ③銀シャリか?毎日銀シャリが喰えるンかッ?
 

①と答えた方→ナニ言ってんスか君は。「変なスイッチ」なんの事スか?いや僕には何の事かサッパリですよ。…え?頭?スイッチ?ああ、ONですがそれが何か?

②と答えた方→ふーん。飲んだ事ないし。

③と答えた方→無理無理ボケんな。つーか誰だお前。万一銀シャリが何かわからん人はおじーちゃんに聞くように。


というわけで正解は

④愛銃シャーリーンに決まってんだろこの臆病マラが!スムーズ!スムーズ!


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 なわけですけど。
 ネット好きな人なら必ずこの映画のネタを見たことがあると思う。
「逃げる奴はベトコンだ!逃げない奴はよく訓練されたベトコンだ!」
「大声出せ!タマ落としたか!」
「気に入った!ウチに来て妹とファックしていい!」
「首を切り取ってクソを流し込んでやる!」
「口からクソ垂れる前と後にサーを付けろ!」「サー!イエスサー!」
などなど。あとファミコンウォーズのCMの歌もこれが元ネタ。
 よくマンガでもネタで使われるんで、見たこと無い人は是非一度見ることをオススメする。というか映画として最高に面白い。俺ランキングで戦争映画のベスト5に間違いなく入る快作。もー何回見たかわからん。


 主人公のジョーカー(マシュー・モディーン)を筆頭にベトナム戦争に巻き込まれていく青年達の姿を描く本作は、訓練所での日々が描かれる前半と、実際にベトナムに行って戦闘をする後半に分かれる。全編を通じて、人物のセリフがとにかく洒落とブラックユーモアにあふれていて、その行間から戦争の狂気がにじみ出て来るという構成。

 特に面白いのは前半で、始まってからものの10分でハートマン軍曹の虜になる事請け合いだ。このハートマン軍曹は訓練所の鬼教官で、とにかく新兵を口汚く罵っていびり倒すのだが、そのセリフがいちいち面白くて、腹を抱えて笑ってしまう。

 でも実際はそれは「兵隊」という名前の人殺し兵器を作る巧妙なプロセスの一部で、前半の重要人物であるパイルはそれに耐え切れなくなって発狂してしまう(あるいは正気に返ったというべきか?)。


 後半は彼ら新兵が前線に配属されて実際に戦闘をするのだが、正直な所戦闘シーンの作りは特筆に値しない。戦闘シーンの迫力だけを求めるならば「ブラック・ホーク・ダウン」を見た方がいい*1。だからと言ってこれが戦争映画としての価値を失うかというとそうではない。というのも、この映画はあくまでも「いかにして若者が人殺し兵器になるか」を描いた作品であり、(おそらく)ドンパチのカタルシスに主眼を置いていないからだ*2

 同じく戦争映画の「メンフィス・ベル」でもそうだったが、主演のマシュー・モディーンは見た目華があるわけでもなく、特殊な戦闘能力があるわけでもない、ごく普通のあんちゃんだ。むしろだからこそ、普通の人間が戦争に巻き込まれる苦悩や不安を、観客はよりリアルに感じる事が出来る(逆に言えば「ごく普通」を演じているのだからスゴイとも言えるが)。


 そんなわけでただのネタ映画として見るも良し、真面目に見て戦争の狂気について考えて見るのも良し、の映画です。マジ見といて損なし。

  • 余談

シャーリーンってキーワード登録されてるんだ…

*1:あれだけ巨額をかけて真剣に戦争ごっこをやってる映画はなかなか無いよ。映画として面白いかどうかはさておき

*2:そういう意味では「ディア・ハンター」に近いのかな